2016年にストッパード作品「アルカディア」日本初演を手がけたシス・カンパニーによる「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の今秋上演が決定。全世界の演劇ファンに、「ロズ・ギル」の愛称で呼ばれ、愛され親しまれてきた戯曲。あまたのコンビのなかでも今回は最強とも言えるロズギルコンビが誕生。卓越した表現力で益々輝きを増す生田斗真と、破竹の勢いで音楽活動にも進出した菅田将暉の初タッグに、歴代最年少の30代で、次期新国立劇場演劇部門の芸術監督に任命された気鋭の演出家:小川絵梨子を翻訳・演出に迎え、躍動感あふれる「ロズ・ギル」が始動。

舞台「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」チケット情報

シェイクスピア悲劇「ハムレット」の最後の最後で、「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ…」の一行だけで片付けられてしまった、凡庸で憐れなふたり組「ロズとギル」。本家ハムレットでは、どうあがいても日の目を見ることのない影の薄いふたりを、堂々の主人公に引っ張り出し、「ゴドーを待ちながら」のような不条理劇として成立させた演劇性。その一方で爆笑にあふれたエンターテインメント性で観客を引き込む魅力作。

コインの裏表をかけながら、森の中を行く、ごくごく普通のふたり組。彼らの名はローゼンクランツとギルデンスターン。デンマークの王子・ハムレットがどうやら正気を失ったらしい、と義父となった国王・クローディアスが、その真偽を調べるために、ハムレットの学友だったふたりを呼び寄せたのだ。自分たちの旅の目的は分かるけれども、その目的をどう果たせばよいのか分からないふたり。物語は粛々を進み、そして自分たちも物語のひとつとして、なす術もなく、どんどん死が待つ終末に向かって運ばれていく「誰でもない彼ら」。 かくて運命に流されたふたりは、この短い台詞によって存在を完全にかき消されてしまうのだろうか…。

出演にあたり、生田「今回は「かもめ」以来の翻訳劇です。翻訳劇はどうしても、「難しそう…」というイメージがあるかもしれませんが、そのハードルの高さを少しでも取っ払って、「演劇って面白い!」、「舞台ってこんなに夢がある!」、そう皆さんにお伝えする事が、自分たちの使命だと思っています。 肩の力を抜いてご覧頂けるような楽しい舞台にしたいと思っています」

菅田「今回は「ロミオとジュリエット」以来の舞台ですが、久々のライブでの芝居や演出の小川絵梨子さんから得る新たな刺激を楽しみにしています。小川さんの演出を受けたことがある役者仲間は皆、「大変だった…」と口では言うんです。でも、皆、とてもいい顔つきになっているんですよね。だから、僕も、小川さんには鍛えていただきたい、と思っています」とそれぞれに意気込みを語った。

公演は10月30日(月)から11月26日(日)まで、東京・世田谷パブリックシアターにて。