『インモータルズ -神々の戦い-』に主演したヘンリー・カヴィル

『ザ・セル』などを手がけヴィジュアル派の監督として知られるターセム・シンが、ギリシャ神話の世界に挑戦した。神々と人間の激しい戦いが3Dで迫ってくるそのアクション映画が『インモータルズ -神々の戦い-』だ。主人公のギリシャ神話の英雄テセウスを演じているのは、『Man of Steel(原題)』で次期スーパーマン役に抜擢されたヘンリー・カヴィル。ハリウッドの新しい“顔”になるだろう注目の新鋭に話を聞いた。

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ギリシャ神話の英雄テセウスは、迷宮に閉じ込められた牛頭人身の怪物ミノタウロスを倒したことで知られる。だが、今回カヴィルが演じたテセウスは、そういうギリシャ神話の常識から大きく離れた存在。神々に挑戦状をつきつけ、自分の愛する母親を殺した狂気の王ハイペリオン(ミッキー・ローク)に復讐を誓う男。始まりは普通の青年なのだ。

「ギリシャ神話のことはあまり考えなくてもいいとターセム(・シン)に言われたんだ。実際、知られている物語とは大きく違うからね。でも、だからといってギリシャの英雄風の身体が不必要だったわけじゃない。ターセム言うところの“ボディビルダーとはまったく違う、ナチュラルに鍛えられた肉体”を作らなければいけなくて、そのトレーニングが驚くほど過酷だった。日本のタバタ・スタイル(田畑泉が考案したもの)のトレーニングをやったんだよ」

それは、ターセム曰く「このトレーニングに耐えられたんだから、スーパーマンは大丈夫だよ」というくらいにヘビーなものだったらしい。そのかいあってか、スクリーンに映し出されるカヴィルの肉体はスリムで余分な脂肪がなく、とても美しい。まさにギリシャの彫刻のようだ。

「でも、そんな過酷なトレーニングも終わってしまえば“楽しかった”ということになる。今回だって、かっこいいボディを手に入れられたし(笑)。僕の仕事との付き合い方は、どんな困難なことであっても、その中から必ず楽しみを見つけ出す、というもの。苦痛は短い間だけ。しかし、その苦痛を通して得た恩恵は永遠に続くんだ」

弾ける若さと端正なルックス、美しいボディと見事な身体能力。そしてラッキーとポジティブシンキング。これだけ“武器”をもっていれば、ハリウッドの荒波を乗りきることができるはず。次の『Man of Steel』でブレイクは必至だろう。

取材・文:渡辺麻紀

『インモータルズ -神々の戦い-』
11月11日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー