SF映画の金字塔『スター・ウォーズ』が初めて全米公開されて今年で35年目。映画としては2005年に全6部作として完結を見たが、現在もフルCGテレビアニメ「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」シリーズが継続中。最近では『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』が3D版になって世界公開されるなど、壮大なる伝説はまだまだ続いている。
そんな中で、名古屋城の二の丸から札幌の歩行者天国、果ては個人の結婚披露宴に至るまで、日本各地で銀河帝国のダース・ベイダー卿率いるストームトルーパーの戦闘部隊が出没していることを御存じだろうか? 「スター・ウォーズ」の世界観を象徴する邪悪な帝国軍のビジュアルを完璧にトレースした彼らこそ、世界47ヶ国にまたがる広大なネットワークを誇るコスチューミング集団“501stリージョン”の日本部隊なのである。
“501stリージョン”は、もともとアメリカで1997年に結成された「スター・ウォーズ」のファン団体だが、なぜか全員がストームトルーパーやダース・ベイダー、ボバ・フェットといった悪役キャラのコスチュームを所有していることが特徴。現在、日本部隊には57人が在籍しており、厳密な基準によって承認されたコスチュームに身を包んで、毎週のように全国各地に出動しているという。
では、いったい彼らはなんのために出動しているのか? 悪党の外見とは直接結びつかないのだが、そのほとんどが“ボランティア活動”なのである。地域振興のイベントを盛り上げたり、養護施設や障害者施設を訪問したり、日本赤十字やメイク・ア・ウィッシュ基金のために寄付金を集めたりしているのだ。
501st日本部隊の隊長である天島武文氏によると、「基本的には純粋な「スター・ウォーズ」ファンである一般人の集まり」だという。天島氏の本職はウェブ・デザイナーだが、ほかにもサラリーマンやマジシャンなど多様な職種の人間が参加しており、年齢層は「スター・ウォーズ」第一世代である40代前半が中心。最高齢は63歳で、一番若いメンバーは21歳だとか。