はい。配信なので、実際にお客さんがいない中で、カメラが自分の表情を抜いて映してくれるのは、AKB48のときの歌番組に出ている感覚と通じるところがあったんです。
「画面越しの皆さんも楽しんで!」っていう思いで、私としてはアピールはしやすかったんですが…。
というのは、元々私はすごくというか、意外と緊張しぃで。例えば、ファンミのときも、皆の前に立つのは好きなんだけど、恥ずかしがり屋だから、ファンの方1人ひとりの目を見て話すというより、なんとなく全体を見ながらしゃべるタイプだったんです。
ミュージカルの舞台に立ったりするときも、お客さん1人ひとりの目を見てセリフを言うことは絶対にないですよね。でもそこが、ともと私が違うタイプなんだって、今回改めて感じたんです。
ともは、1人ずつのお客さんの目を見て、「今、ここに来ている人たちに届けたい」っていう思いで、しっかり歌を届けるタイプの人。目の前にお客さんがいない中で、カメラだけを見て…、となると今回は、すごく苦しいところがあっただろうな…、って。
そう思うと、改めて配信の難しさを感じました。
--確かに、パフォーマンスしている間、コメントはなかなか見られないでしょうし、リアルな声援もかけられない。観客を目の前にした舞台のお芝居では、リアルな反応や空気感が、演者のパフォーマンスに反映されると思いますが、配信ではそれも難しいですよね。
そうですね。
--お客さんにどう届けるかっていうスタイルによっても、変わってくるんですね。
そう、そう、そう。
「さえともが、楽しく、今、伝えたいことを届けようね」って、ふたりでやっていたので、その空間にうそはなかったと思うんです。だけど、カメラを見つめて歌うことは、私にとっては得意分野だったけど、ともからしたらそうではなくて。
彼女のことはわかりきっていたつもりだけど、こんなに近くで何週間もかけて一緒にライブを作ってきたのに、その気持ちを汲み取ってあげられなかったのを、私はすごく反省していて。「ゴメン…」って、思ってるんです。
--ずっとやり取りしている間柄でも、その難しさが出てくるということなんですね。
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