「ニコニコ動画」が映画配信サービスを発表

日本最大級の動画コミュニティサービス「ニコニコ動画」で、ついに映画配信サービスが開始されることになった。同サービスを運営する株式会社ニワンゴが14日に東京・原宿のニコニコ本社で行った新サービス発表会で明らかにした。

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会見には同社取締役の夏野剛氏、ワーナー・ホーム・ビデオ&デジタル・ディストリビューションのジェネラルマネージャーである福田太一氏が出席。映画配信サービスの概要を説明した他、会員が一緒に映画を見ながらコメントし合う「ニコニコ映画上映会」にて、2011年最大の話題作『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』を上映すると発表し、「人類史上かつてない鑑賞スタイル」(夏野氏)、「映画鑑賞の歴史におけるターニングポイントになる」(福田氏)と新サービスに自信を見せた。

気になるサービス内容は以下の通り。まず、公式動画配信チャンネル「ニコニコチャンネル」内に“映画カテゴリー”が追加され、見たい作品を見たいタイミングで視聴できる課金型のVOD(Video On Demand)、そして一度購入すれば無期限で視聴可能なEST(Electric Sell Through)の作品を揃えた映画専門サイトが開設される。ダウンロード形式が一般的なESTだが、常に最新のコメントを楽しむために、クラウド上の映画データにその都度アクセスし利用するデジタルロッカー型(=非ダウンロード形式)での提供だ。

11月14日のサービス開始時には「マトリックス」や「ロード・オブ・ザ・リング」、「燃えよドラゴン」「チャーリーとチョコレート工場」など約100タイトルが用意される。気になるお値段は、VODが新作400円、旧作300円(ともに基本価格)。ESTは1000円からの提供。どちらもプレミアム会員、一般会員は同一価格となる。

もう一つの目玉が、「ニコニコ生放送」のシステムを使用し、コメントを通してリアルタイムで感情を共有できるソーシャル視聴プログラム「ニコニコ映画上映会」だ。「これからは『映画を誰と見たか』がとても重要。ハリウッド大作をコメントし合いながら、見れば2倍、3倍と面白くなるはず」(夏野氏)。記念すべき第1回は、15日24時(16日午前0時)からスタートし、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」を上映。なんとブルーレイ&DVDの発売日と同日という異例の展開だ。一般会員の視聴料金が新作400円、旧作300円。プレミアム会員は新作100円、旧作50円と優遇価格が設定されている。

夏野氏は「以前からワーナーさんはインターネット配信に積極的だった。一緒にこの道を切り開くことで、映画市場全体の拡大を目指したい」。今後は映画に留まらず、『フリンジ』『ゴシップガール』といったワーナー保有の海外TVドラマシリーズの配信も検討されており、福田氏は「(ワーナーの)本社がニコニコ動画さんに非常に興味を持っていた。それだけに今回、新サービスを立ち上げると聞き、真っ先に手を挙げさせていただいた。市場拡大の起爆剤になれば」と抱負を語っていた。