松任谷由実 松任谷由実

松任谷由実が演劇の殿堂・帝国劇場に初登場、演劇とコラボレーションする注目の舞台『8月31日 ~夏休み最後の日~』の製作発表が8月16日、都内にて行われた。夫であり脚本・演出を担当する松任谷正隆が「コンサートは30年くらい演出してきましたが、芝居は初めて。はっきり言って自信はありません…」と言うのを尻目に、松任谷由実は「私自身はもう勝ったようなもの、と思っています」と早くも成功を確信した発言で会見場を沸かせていた。

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物語は、ヒロインの千佳が、交通事故に遭い意識不明になった元カレ・一彦の夢の中に入り、記憶の中でふたりで旅をする…というもの。松任谷正隆が紡ぐ“純愛物語”の各シーンに相応しいユーミンの楽曲をユーミン自身が歌う、という構成になる。正隆が「コンサートでもなく芝居でもなく、そのどちらでもあるようなもの。観終わった後に、何を見たのかわからないけれどちゃんとひとつのストーリーになっていたな、というものが出来れば」と語るように、今までにないタイプの新しいステージになりそうだが、気になるユーミンの役どころは“純愛物語への案内人”。「由実さんには女ヒッチコックをやらせたかったんです。ヒッチコック劇場で見えないところにいる、みたいな」と正隆。ユーミン本人は「女優デビューではないです」と言うが、正隆の「看護師のシーンもありますよ。それが一番のコスプレかな?」との言葉に「ウソ!?」と驚く一幕も。ユーミンは「役者の方々の力と音楽の力を合体させて観客のみなさんに素敵な純愛という催眠術をかけたい。多作なので、新たなストーリーでもそのシーンを膨らませるに足る曲が様々あります。それを新しい気持ちで歌って、舞台を立体的にしていきたい」と新たな挑戦に意気込みを語った。

演技パートには貫地谷しほり、吉沢悠、陽月華らが出演。ヒロイン・千佳を演じる貫地谷は「まさか帝国劇場に、まさか松任谷由実さんと…。こんな豪華な舞台に自分が立てるなんて夢のよう」と感激を口にし、「最近は『海を見ていた午後』を何故かリピートして聴いています。由実さんの歌は、ひとつの作品をみているようで、その曲と私の思い出がリンクしているわけではなくてもすごく感動するんです。今回も劇場に足を運んでくれたみなさんに何かを感じていただけるように、私たちはお芝居パートを頑張っていきたい」と話していた。

なお気になる登場ナンバーだが、「秘密です。言うとつまらないでしょ」と正隆。タイトルから夏っぽいナンバーが登場するのでは、との質問には「甘いな(笑)。夏休みと名のつく曲は外しました。あまりコンサートでやらない曲もやります」とのこと。どの曲がどんなシチュエーションで歌われるのかも楽しみにしたい。

公演は10月7日(日)から31日(水)まで。チケットは8月18日(土)に一般発売開始。