宝塚歌劇星組『オーシャンズ11』宝塚大劇場・舞台より 撮影:三上富之 宝塚歌劇星組『オーシャンズ11』宝塚大劇場・舞台より 撮影:三上富之

ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ……。豪華キャストの共演で話題を呼んだ映画『オーシャンズ11』が、宝塚歌劇で世界初のミュージカル化。11月11日、兵庫・宝塚大劇場で星組公演として開幕した。

宝塚歌劇星組『オーシャンズ11』チケット情報

ラスベガスを舞台に、ダニー・オーシャンと10人の仲間が、ラスベガス最大のカジノから売上金を強奪するサスペンス・アクション。服役中の天才詐欺師ダニー・オーシャンは、仮釈放と同時にラスベガスへ向かう。大胆な計画を実行すべく、さまざまな分野のエキスパートたちを集め、計画に挑んだ……。

小池修一郎の演出によりラスベガスと宝塚歌劇が掛け合わされたステージは、イリュージョンなども取り入れてより華やかにショーアップされている。刑務所から一転、ラスベガスでのシーンでは、男役が黒いスーツでのダンス。スタートから色気全開で観客をひきつける。ほかにも、トップスター柚希礼音率いるスター11人が並んで歩く姿や、11人でのダンスなど惚れ惚れするシーンが満載。観客がスリルを味わえるようテンポよく遊び心ある演出で展開しつつ、さらに、人情味も感じられる物語として仕上がっている。

柚希が演じるのはもちろん、ジョージ・クルーニーが演じたダニー。歌、ダンス、演技ともに思わず見惚れてしまうほどに色気たっぷり。大胆かつ落ち着いた雰囲気を持ち合わせたダンディな大人の男を魅せ、新たな魅力を開花させた。また、ダニーに離婚を求める妻テスを演じるのは娘役トップスターの夢咲ねね。意思のある知的な女性を、寂しさを漂わせながら表現している。

男役2番手の涼紫央は、ダニーの右腕、ブラッド・ピットが演じたラスティー役。クールで頭のキレる男でありながら、どこかかわいらしさもある印象だ。ほか、カジノのディーラー・フランクを演じる夢乃聖夏、ラスベガス最大のカジノのオーナー・ベネディクトを演じる紅ゆずる、伝説のスリの息子・ライナスを演じる真風涼帆ら、個性的なスターたちが役の個性を掴んで熱演。巧妙でコミカルな展開は前のめりで観てしまいそうになる。

今回は1本ものの大作のため、フィナーレはラスベガスをイメージしたショーがコンパクトに繰り広げられる。それぞれのスターの個性を生かしたダンスのほか、男役の群舞、柚希と夢咲のデュエットなどを披露。柚希のしなやかでキレのあるダンスはもっと観ていたいと感じるほどだ。

公演は同劇場にて12月13日(火)まで上演。その後、2012年1月2日(月)から2月5日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。チケットは兵庫公演は発売中。東京公演は12月4日(日)より発売開始。