和央ようか 撮影:吉田タカユキ(SOLTEC) 和央ようか 撮影:吉田タカユキ(SOLTEC)

大女優マレーネ・ディートリッヒの生涯を描いた音楽劇『Dietrich -生きた 愛した 永遠に-』。2010年に上演され好評を博したこの作品が、演出や楽曲を一新し、新たなキャストも迎えて再び上演される。2年ぶりにディートリッヒを演じることとなる和央ようかに意気込みを訊いた。

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「再演は、もう一度和央が演じるこの役を観たいと思って下さった方がいるからこそできること。本当にありがたいですね」と笑顔をみせる和央は、前回ディートリッヒを演じて、その人間味あふれる生き方に魅了されたという。「ディートリッヒといえば、誰もが知る伝説的な女優。神秘的な美しさや驚異的なスタイルもあいまって、この役をいただくまでは絵のように美しい方という認識しかなかった。でも前回の公演で、彼女もいろんなものと葛藤しながら生きてきた女性であったということを知り、ひとりの人間として演じることができました。雲の上の方には違いないんですが、いまは勝手に彼女に共感をもっています」とディートリッヒの存在について語った。

新たな脚本、演出によって描き出される以前とは違ったディートリッヒについては、緊張よりも楽しみが勝っているのだとか。「新しいものに取り組むという新鮮な気持ちです。でも、違う脚本と言えど演じるのは同じ女性。ディートリッヒという女性について、前回の公演中に自分なりにいろいろ考えたことがプラスされて、彼女の魅力を前よりさらに深く描き出せたらいいなと思っています」と真剣な面持ち。さらに「前回の稽古は時間との戦いでした。その分、勢いのある作品をみんなでつくりあげられたと思います。今回は以前演じたものを財産としながら、キャスト、スタッフの皆さんといちから舞台を築きあげていきたい」と言葉に力を込めた。

いつも舞台にキスをしてからあがっていく習慣をもつ和央。「前回は勝手にディートリッヒさんに『今日もよろしくお願いします』と語りかけていた。それは今回も続けると思います」。コンサートなど、素の和央ようかとして歌うこともあるが「舞台もコンサートもライブという点では同じ。でも役で歌うときには自分の中に独特の感覚がある。その歌の情景が自然と浮かんできて、意識しなくてもその役らしい歌い方になる」のだとか。今回はディートリッヒの歌声がさらに深みを増すことだろう。

公演は10月29日(月)から11月4日(日)まで東京・青山劇場にて、11月16日(金)から18日(日)まで大阪・森の宮ピロティホールにて上演。チケットは9月22日(土・祝)より一般発売開始。なおチケットぴあでは、インターネット先行抽選を東京公演は9月3日(月)11時まで、大阪公演は8月30日(木)11時まで受付中。

取材・文:釣木文恵