4:「早く〇〇して」

朝の支度のときなど、きっと親なら毎日、何度も言っているのが「早く」という単語。この言葉を1日言わずに過ごせる日がないのでは…というくらい、子育て中の親が言う台詞ベスト3には入るのではないでしょうか。

早くご飯を食べてほしいのに、遊びに夢中になっている。早く着替えてほしいのに、なんだかボーッとしている。朝は親も子どもも大体出かけるまでのタイムリミットがあるので、時計を気にしながら「早く~!」とイライラすることは多いかと思います。

ただ、子どもは「早く!」と急かして早く行動できた試しがないというほど、この言葉は効果がないことがほとんど。

「早く」と言われても抽象的で伝わらず、聞き分けのいい子どもなら親のイライラを察知して早く動けることもあるかもしれませんが、たいていの子どもはぼんやりと聞き流しているのではないでしょうか。

時間感覚の違う子どもに伝わりにくい「早く!」を連呼してイライラを募らせるより、子どもに明確なタイムリミットをきちんとわかってもらうほうが早いかもしれません。

幼稚園の年長さんや、小学生くらいなら時計の見方を教えた上で「8時には家を出たいから、〇分までにご飯を食べてね」などのスケジュールを伝えましょう。

また、まだ時計の見方がわからないようであれば、時計の数字それぞれにマークをつけて、たとえば動物マークなら「ライオンのところに長い針が来たらおうちを出るから、それまでに〇〇してね」という言い方をすると視覚的にわかるので、子どもにも伝わりやすいです。

5:「ちょっと待ってて」

子どもというのは大人の都合などお構いなしに、自分中心の世界で生きているもの。料理をしているのに、「聞いて聞いて」と何度も話しかけてくる。疲れているのに、「遊んで遊んで」と構って欲しがる。そんなとき、すぐに対応できずに「ちょっと待っててね」と言う場面も多いかと思います。

ただ、やはり子どもの時間感覚は大人とは違うもの。大人の思う「ちょっと」と子どもの思う「ちょっと」は違う可能性があります。

「ちょっと待って」と言っておいてなかなか相手をしてくれないと、子どもにとっては不満です。自分に注意を向けてほしいのに向けてもらえない、気持ちに寄り添ってもらえない…と、自己否定的な感情を持つことになります。

「ちょっと」ではなく「今これをやってるから、終わるまで待っててね」など、具体的に待つ時間を示してあげると、子どもも納得して待つことができるでしょう。「あとでね」も同様で、「今これをやってるから、そのあとでね」と具体的に示すこと。

また、実際にその作業が終わったとして、子どもがそのことを忘れていたとしても、「終わったらやる」と約束をした以上はきちんと守ることも重要です。

本人が忘れているからいいや、ではなく、こちらから言うことで「待っててね」のあとでちゃんと自分の要求を聞いてもらえるとわかれば、信頼関係が育っていきます。

忙しいからといって後回しにしてばかりいると、子どもが親に不信感を抱く原因にもなりかねません。

「ちょっと待ってて」が単なる口グセのようになっている方は、まず今やっている作業が手を止めてやれないほど急ぎのものなのかを確認した上で、もし余裕があるときはすぐに子どもに注意を向けて気持ちを受け止めてやるだけでも、子どもは「ちゃんと気にかけてくれた」と満足して落ち着くかもしれません。

今回ご紹介した言葉を、ひとつも、一回も言ったことのない人はいないはず。そのくらい、育児中にはつい言いがちな言葉ばかりです。

もし、しょっちゅう言ってしまっている自覚があるなら、今からでも少しずつ言い回しを換えるように心がけてみてはいかがでしょうか。

エディター&ライター。エンタメ誌などの編集を経て、出産を期にライターに。ミーハー精神は衰えないものの、育児に追われて大好きなテレビドラマのチェックもままならず、寝かしつけたあとにちょこちょこと読むLINE漫画で心を満たす日々。