『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』と『ヒューゴの不思議な発明』

『ボラット』『ブルーノ』のサシャ・バロン・コーエンの主演最新作『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』に出演する名優ベン・キングスレーの最新コメントが到着した。

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本作は、恐るべき独裁者アラジーン将軍がニューヨークを訪れるも、米国政府の陰謀により身元不明の状態にされたまま街に放り出され、行く先々で騒動を起こす様を描いたコメディ映画。

キングスレーは、1943年生まれの英国人俳優。『ガンジー』や『シンドラーのリスト』『シャッター アイランド』などの作品で重厚な演技を披露し、2001年には“ナイト”の称号も与えられている名優だ。そんな彼が本作で演じるのは、アラジーン将軍の伯父のタミール。将軍の身の安全を確保する一方、ロレックスや紛争ダイヤモンドを配っているブッ飛んだ役どころだ。今、最も危険で優れたコメディ作家・俳優のコーエンと、キングスレーが出会ったのは、マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』で、ふたりが共演したときのこと。キングスレーは「セットで彼(コーエン)と話す機会があったとき、すぐに、彼のことをどれほど尊敬しているかを伝えたよ」と振り返る。

かねてより、キングスレーはコーエンを「恐れ知らずの役者であり、風刺コメディの達人」と評価していたそうで、本作でもコーエンと時にじっくりと議論をし、時に即興演技を織り交ぜながら、タミール役を嬉々として演じている。「5センチと離れていないところから、エンジン全開のサシャを見ていると驚くよ。サシャのような人と仕事をすると、自分の仕事のレベルも高くなる。非常にエキサイティングだ」。

ちなみに、撮影中にキングスレーが最も苦労したのは、目の前でコーエンが演技しても“決して笑ってはいけない”ことだったという。「僕が演じたのは真面目な男だ。サシャ・バロン・コーエンを相手に、可笑しなことをやろうなんて気にはならないよ。それに、彼の引き立て役になるのは楽しかった。かなり苦労したけどね。目の前で、たまらなく可笑しなことが起きているのに、僕はせいぜい、ちょっと困惑した顔をする程度のことしかさせてもらえなかった。彼がやっていることに対して平然と無関心を装うなんて、僕が想像できる限り、一番難しい演技だ」。誰もが認める名優に“一番難しい演技”と言わせるほど、コーエン=アラジーン将軍は過激な笑いを繰り出してくるようだ。

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