『バトルシップ』でVFXを取り入れたシーン (C)2012 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

ユニバーサル映画100周年記念作『バトルシップ』のブルーレイ&DVDのリリースを記念して、VFXのスーパーバイザーを務めたインダストリアル・ライト&マジック(以下、ILM)のグラディ・コーファー氏とパブロ・ヘルマン氏のコメントが届いた。

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『バトルシップ』は、ハワイ沖に現れたエイリアンの陰謀を阻止するため、日米をはじめとする世界連合艦隊が戦いを挑むSFアクション超大作。本作は全編に渡って、VFXが用いられているが、その大半を手がけたのが、ジョージ・ルーカスが1975年に設立した視覚効果スタジオILMだ。ILMは、『スター・ウォーズ』シリーズや『ハリー・ポッター』『ジュラシック・パーク』『インディ・ジョーンズ』『パイレーツ・オブ・カリビアン』『トランスフォーマー』などを手がけ、これまでアカデミー視覚効果賞を何度も受賞している世界最大の映像工房だ。

通常、VFXは実写の撮影をした後にCGや効果を“合成”しているイメージがあるが、『バトル・シップ』のような多数のVFXカットが登場する超大作の場合、事前に入念に準備をして、撮影現場に視覚効果の担当者が同行するケースがある。本作でも、ピーター・バーグ監督とILMのスタッフは、撮影の3〜4か月前から現場を訪れ、撮影にも同行した上で、撮影された映像を基にVFXカットを完成させた。コーファー氏は「たくさんのCGを使う映画だったので、各プロセスで、監督にいろいろなアドバイスが必要だった」と振り返る。また、実写をふんだんに使いたいというバーグ監督の意向を取り入れた結果、ヘルマン氏は「最終的にどこまでをデジタル化し、どこまでをリアルの映像を使うかというCG映像づくりの着地点を考えなければならなかった」と話し、「ひとつのカットをスタジオの外で撮影し、スタジオ内で作ったCGとつなぎ合わせる作業がとにかく複雑だった」と苦労を語る。

さらに、本作に登場するエイリアンのデザインに関してふたりは、1年以上かけ、スポーツ好きだというバーグ監督によって“アメフトの副審”の動きを参考に「かなりマッチョで動きが早い部分を取り入れた」といい、「エイリアンの撮影に関しては、スタントマンに動いてもらって、それを参考にして動きを映像化させたんだ。スピードも大事だから、実際の動きをみて実物に近づけた」と解説した。最後にコーファー氏は「僕が特に日本のアニメを好きっていうのがあって、そのクリエイティビティと映像にはインスパイアされたよ」とコメント。飛び交う砲弾や飛行する巨大戦艦、細部まで描き込まれたエイリアンのメカニックスーツなど、劇中には日本のアニメを参考にしていると思われる部分も多く、ブルーレイ&DVDでじっくりとチェックしたいところだ。

『バトルシップ』
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発売・販売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント