古田新太、演出・いのうえひでのり(撮影:源賀津己) 古田新太、演出・いのうえひでのり(撮影:源賀津己)

12月から来年1月にかけ東京・シアターオーブで、劇団☆新感線が新作『ZIPANG PUNKⅢ 五右衛門ロック』を上演する。座席数2000近い劇場で約5週間、東京だけで70000人を集める公演は劇団史上初めての規模だ。『五右衛門ロック』は2008年、2010年とシリーズで上演され、今作はその3作目にあたる。1作目からタイトルロールの石川五右衛門を演じている古田新太と演出を担当するいのうえひでのりに話を訊いた。

劇団☆新感線 SHINKANSEN☆RX「ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII」 チケット情報

いのうえは「やるのはいつものバカバカしいやつですよ」と大規模公演にも気負った様子はなく飄々とした笑顔で語る。『五右衛門ロック』は毎回有名俳優を客演に迎え、豪華なセットや衣裳にもこだわり“歌あり踊りあり笑いあり”と新感線ならではの派手で楽しい舞台だ。今作では五右衛門と対峙する明智心九郎役を三浦春馬が演じるほか、蒼井優、村井國夫、麿赤兒らが出演する。

『五右衛門ロック』の世界観は、言ってみれば少年マンガですよ。そう、“赤ルパン”って感じかな」と古田は話す。赤ルパンとは、ルパンが赤いジャケットを着ていたアニメの第2シーズンのこと。第1シーズンの緑ジャケットのルパンが渋くて大人っぽかったのと比べて、よりポップで間口が広い作風で人気を博した。いのうえも古田の言葉に大きくうなずき、「もともと『五右衛門ロック』は、新宿コマ劇場の閉館を賑やかに盛り上げようと、お祭り気分で上演したんです。それが予想外の好評で『薔薇とサムライ』(2010年上演)という第2弾をつくり、何事も3部作がキリがいいだろうと、今回の企画を決めました。前作は、天海祐希さんが出てくれたこともあって、結構ミュージカル寄りだったんですけど、今回はもう1度お祭り気分で賑やかにやりますよ」と語る。

とは言え、いのうえの言う「お祭り気分」はハードルが高い。動き回った直後に歌い、美しく殺陣を決め、さらに笑いのセンスまで求められる。古田は「でも、ベテランのおふたり(村井と麿)はもちろん、今回客演してくれる春馬も優ちゃんも、ポテンシャルがめちゃめちゃ高いですから、何も心配はしてません。『ZIPANG PUNK』は、ルパンで言ったら、オイラがルパンで春馬が銭形みたいな関係になるらしいんで、むしろどんなふうに絡めるのか楽しみ。気になっているのは、なんだかんだ言って、オイラが1番動き回るんだろうなってこと。五右衛門のカツラと衣裳、重いんですよ!」と笑う。

公演は12月19日(水)から2013年1月27日(日)まで東急シアターオーブにて、2月6日(水)から28日(木)までオリックス劇場にて上演される。チケットは東京公演は10月28日(日)より、大阪公演は11月25日(日)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは東京公演のインターネット先行抽選・プレリザーブを10月11日(木)11時まで受付中。