ナビスコカップ準決勝第1戦でボールを競るFC東京・石川直弘と清水・鍋田亜人夢  (c)J.LEAGUE PHOTOS ナビスコカップ準決勝第1戦でボールを競るFC東京・石川直弘と清水・鍋田亜人夢  (c)J.LEAGUE PHOTOS

ナビスコカップ準決勝はある意味、最も難しいゲームと言える。準決勝第1戦は9月5日に行われ、第2戦は今週末10月13日(土)にキックオフを迎える。2試合の勝敗あるいは合計スコアで雌雄を決するのだが、試合間隔が1か月以上空いている。指揮官は180分間での勝敗を考えなければならないが、初戦のイメージに囚われてばかりもいられない。なぜなら、サッカーは生き物だ。チームは成長と停滞を繰り返し、シーズンを戦う。チームがガラリと変わるのに、1か月は十分な時間と言える。

ナビスコカップ 開催情報

ご存知の通り、初戦はいずれもホームチームが勝利した。FC東京が清水エスパルスを2-1で下し、鹿島アントラーズが柏レイソルを3-2で振り切った。FC東京、鹿島は引き分けでも決勝進出が決まるが、清水、柏は1-0で勝利すればアウェイゴールの差で決勝の切符を手に入れる。また、清水、柏には延長、PKにもつれ込んでもホームの利がある。

出場停止も指揮官の頭を悩ます。鹿島はMF・小笠原満男、柏はMF・栗澤僚一、清水は李記帝と河井陽介の両DFを欠く。いずれもチームの出来を左右する主軸である。FC東京は中心選手の出場停止はないが、GK・権田修一、DF・高橋秀人が日本代表で不在だ。戦力的なマイナスはFC東京が最も大きいが、日程の追い風がある。第91回天皇杯覇者・FC東京は92回大会2回戦でJFL・横河武蔵野FCにまさかの不覚を喫した。ナビスコ杯ベスト4の他の3チームは、10月10日に天皇杯3回戦を戦っている。前戦から中6日のFC東京か、中2日のホーム・清水か。どちらが有利かは地の利を差し引いても明らかである。

初戦を終えたFC東京・ポポヴィッチ監督と鹿島・ジョルジーニョ監督は異口同音に「決勝進出は第2戦が終わらないとわからない」と語り、清水・ゴトビ監督とネルシーニョ監督は敗戦にもアウェイゴールの獲得に満足した。

試合間隔と開催地、出場停止に日本代表の不在、視点を変えれば有利不利も変わってくる。だからこそナビスコカップ準決勝は難しく、面白い。

ナビスコカップ準決勝第2戦は10月13日(土)14:00・清水×FC東京・アウトソーシングスタジアム日本平、19:00・柏×鹿島・日立柏サッカー場でキックオフ。チケットは発売中。