「レイトン教授VS逆転裁判」
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まずは両作品を簡単に紹介していこう。

「レイトン教授」シリーズは、レベルファイブから発売されているナゾトキ・ファンタジーアドベンチャー。絵本のようなかわいらしいグラフィックと、パズル本『頭の体操』シリーズをベースにしたナゾトキの面白さを組み合わせた新感覚ゲームだ。2007年のシリーズ1作目は発売当初から話題となり、現在までにシリーズ累計1350万本を超える出荷をたたき出しているモンスターソフトである。大人から子どもまで遊べる絶妙な難易度と、ジブリアニメを思わせる絵柄で普段ゲームをしない層にも支持されているのが特徴だ。

対する「逆転裁判」はカプコンから発売されている法廷バトル。探偵パートで証拠を集め、法廷パートで証言から嘘やムジュンを見つけ出して真実を暴き出すという高いゲーム性は、それまでのアドベンチャーとは一線を画した面白さを見せつけ話題を呼んだ。こちらもシリーズ累計出荷は430万本を超える大ヒット作品であり、アドベンチャーゲームといえばこれというゲーマーも多い。

"謎をとき、推理する"という点では共通しているともいえる両作品だが、それぞれの作風はまるで違う。レイトン教授はどちらかといえばほのぼのとしたテイストで少し前の時代のヨーロッパを舞台にしているのに対し、逆転裁判は現代をベースにしたコメディ混じりのシリアスなゲームだ。

世界観のまるで異なる両者を結びつけるために制作陣がとった手段は、異世界を舞台にするというやり方であった。

 

考古学者エルシャール・レイトンと弁護士 成歩堂龍一は、ある出来事がきっかけで異世界・ラビリンスシティに迷い込む。そこで2人は、"書かれた物語が必ず現実になる"という信じられない謎と、"災厄をもたらす魔女を処刑する"という驚愕の魔女裁判に挑むことになる。

「魔女裁判」――それこそが、2つの世界を違和感なく結びつけるためのキーワードだ。「魔女」という言葉はどこか"ナゾ"めいており、"裁判"は法廷を連想させる。レイトン教授と逆転裁判の世界をつなぐのに、これ以上のキーワードはないといっていいだろう。極論を言えば、魔女裁判というキーワードをひねり出せた瞬間に本作の成功は決まったといえるのかもしれない。