仲良くする秘訣は“サービス精神”

理解はできないが、嫌っているわけではない――ガンダム世代の心境が明らかになったところで、うまく付き合っていくコツを訊いた。

「必要なのは“サービス精神”です。ワンピース世代は、メールやSNSなど顔の見えないツールでコミュニケーションをとってきたため、相手の気持ちを察するのが得意。その能力を活かして、ガンダム世代のつらさや考えを理解しているかのように振る舞い、調子を合わせましょう」

ただし、容認できる限りでいいのだそう。例えばランチに誘われても、お弁当を持ってきている、今の会社に長く勤めるつもりがないなどの事情がある人は、無理に応じる必要はないという。

「自分に正直で、形式にとらわれないのはワンピース世代の長所でもあります。だから、基本的には自分のしたいようにすればいい。その上で、『この会社で認められたい』『仕事をうまく進めたい』と思っている人は、誘いに乗ればいいのでは。他の世代が何を考えて仕事をしているのかを理解することは、ビジネスパーソンとして必ずプラスになります」

ワンピース世代はストレスを感じない距離を見定めながら、有益な意見を吸収するつもりで上司と接するのがよさそうだ。

飲み会は一次会で完全燃焼すべし

 

個人的な誘いは断れるとしても、忘年会や歓迎会など、大きな集まりは回避するのが難しいもの。気持ちよく過ごすためには、一次会で完全燃焼するつもりで挑むといいという。

「実はガンダム世代も、そう乗り気ではないんです。ただ、若手の頃の経験から、『面倒だけど、コミュニケーションの場として大切なもの』だと思っている。ワンピース世代がしぶしぶ参加していることはわかっていますから、一次会で燃え尽きてしまえば、強くは引き止められないでしょう」

ここぞとばかりにサービス精神を発揮して、一次会解散を目指す。どんちゃん騒ぎが大好きなルフィを見習い、思い切り盛り上がってみるのもいいだろう。

「ワンピース世代の自由な気風は、上司世代に嫌われている」「部下は規律や暗黙の了解を押し付けるガンダム世代を疎ましく思っているだろう」なんてイメージを持ってしまうと、どうしても付き合いが億劫になり、コミュニケーション不全からさらに誤解が生じて……という悪循環に入ってしまう。鈴木さんの言葉でお互いを少し理解できたところで、『ONE PIECE』、『機動戦士ガンダム』の両作品を読み比べ、共感するポイントを探してみては?