ごくごく個人的な好みも含まれますが、私にとって本配信ライブにおける最も観るべきパフォーマンスのひとつが、『GOLD』という楽曲です。

シングル『COLORS / 太陽と月のこどもたち』のカップリングに収録された、真部脩一の作による電子音が心地よい極上のエレクトロ・ポップ。その世界観を類まれな想像力と技術力で具現化した演出、発見に満ちたカメラワーク、そのなかで見せる彼らの表情や佇まい――。V6という表現集団のひとつの極点がこの曲のパフォーマンスに刻まれていると、個人的には思います。

彼らの歩みは終わりましたが、残した作品は消えることはありません。この配信ライブには、自らの終わりを見据えながら、最新×最高を更新し続けたV6の姿が鮮やかに記録されているのです。

村上信五のバラエティスキルが最大限に発揮された『Johnny's Village』

もうひとつ、まったく異なるアプローチでオンライン配信ならではの面白さを表現した公演を紹介します。関ジャニ∞・村上信五さんがホストを務める配信『Johnny's Village』です。

関ジャニ∞としても先日、最新ツアーのファイナル公演の配信を実施。またこれまでには、自身の一人舞台シリーズ『If or…』や、後輩タレントを招集した即興劇シリーズ『もしも塾』を主宰するなど、意欲的な公演を展開してきた彼が仕掛けたのは、「アーカイブなしの生配信・初サシの相手とのトーク」という挑戦的な企画でした。

2020年12月の有岡大貴さん(Hey! Say! JUMP)を皮切りに、2021年は3月に菊池風磨さん(Sexy Zone)、6月に藤井流星さん(ジャニーズWEST)を迎えて配信され、シリーズ化しています。

こちら、アーカイブやソフト化はされておらず、今から過去公演を観られない中でのご紹介が心苦しいのですが、個人的に今後もシリーズとしての継続を楽しみにしているプログラムなのです。

 

 

 

 

自分が観たのは、2021年10月に配信された第4回。こちらでは初めてサシではなく、村上の後輩にあたる関西ジャニーズJr.・Aぇ! groupから末澤誠也さん・小島健さん・佐野晶哉さんの3名が招かれました。

大きな見どころはやはり、サシでちゃんと話すのは初めてという村上さん×ゲストたちの化学反応。生配信のみ、しかも22時開始という遅めの時間帯も相まって、適度な緊張感もありつつ、内輪トークを覗き見しているような親密さが心地よいのです。

この回では関西ジャニーズの大先輩であり百戦錬磨のバラエティスキルを持つ村上さんと、そこに3者3様のアプローチで食らいついていく3人のコントラストに何度も笑わされました。(特に配信終了間際、ラスト数分の佐野さんの立ち回りに爆笑&ポテンシャルに震撼。アーカイブなしのため記憶を辿るしかないのが残念……!)

冒頭で、ジャニーズアイドルならではの魅力が最大限に発揮されるのがライブコンサートであると書きましたが、各グループの持ち味とメンバーの個性が存分に発揮されるMCタイムの存在もとても重要。『Johnny's Village』には、そんなジャニーズライブのMC・バラエティ面の魅力を濃縮還元して楽しめるような趣があります。

その立役者はやはりホストである村上信五さんでしょう。