トーク&企画の両面で、配信ならではの面白さを発信

地上波バラエティでも看板を貼る実力の彼による企画構成と、本番での適度に力の抜けたMCぶりはさすがの一言。

テレビではなかなか観られないつっこんだトークも含め、ゲストの素が垣間見える配信ならではの絶妙な“ゆるさ”を保ちつつ、ときには含蓄のある発言で場を締め、バラエティとして成立させていく手腕が見事でした。(……と今は冷静に振り返られますが、視聴中はシンプルに大笑いしていた記憶しかありません)

また私はAぇ! groupの3人を生で観るのは初めてでしたが、関西の血と言うべき笑いへの貪欲さがすばらしく、まんまと新たな沼への入り口に立ってしまったのでした。こういう新たな出会いがあるのも、レアな組み合わせによるトークという企画の妙、そして気軽に参加できる配信ならではの利点と言えるでしょう。

会場は東京グローブ座。ジャニーズ所属タレントの舞台公演が頻繁に行われるファンにはお馴染みの劇場です。

番組内では無観客配信であることを逆手に取って、ふだん観客として利用している座席や通路を出演者が所狭しと駆け回る場面もあり、その通路通ったことある!と思った人もいたのでは。こちらも有観客では難しいであろう、配信だからこその可能性が追求されていました。

ライブ公演に比べると時間はコンパクトめで、その分チケット代もリーズナブル。予想外の展開もあり満足度は想像以上でした。さらなる沼入りには注意しつつ、次回があればぜひまた観たい配信です。

繰り返しになりますが、今回ご紹介したのは、数多く展開されてきたジャニーズのオンライン配信コンテンツのほんの一部。実はこれ以外の配信ライブもいくつか観ましたが、どれもそれぞれに工夫をこらした充実の内容ばかりでした。

またライブ以外にも、所属タレント出演の演劇公演の配信などもコンスタントに行われており、配信を通じて演劇シーンへの裾野も広がっていくかもしれません。

ジャニーズエンタメに明るくない人でも、配信ライブを通じてそのパフォーマンスに触れてみると、新たな“沼”との出会いがきっとあるはず。コロナによって配信の取り巻く状況がどうなるのかは未知数ですが、個人的にはこれからも多くの配信ライブを観られるといいなあ、と思っています。

独自の美意識と方法論でエンタテインメントを更新してきたジャニーズだからこそ生み出せる未知の配信コンテンツの登場に、今後も期待です。