撮影/本多晃子

劇場公開中『映画かいけつゾロリ ラララ♪スターたんじょう』で、生田絵梨花が声優に本格挑戦する。

ゾロリがスターのたまごをプロデュースするという、冒険活劇と音楽エンタテインメントの要素がミックスされた本作で、生田は物語の鍵を握るキャラクター・ヒポポを熱演。劇中では歌声も披露しており、彼女の魅力が余すところなく活かされた、見どころの多い役柄だ。

昨年末に乃木坂46を卒業し、今年から新たな道を歩み始めた生田。この作品での経験は彼女にどんな学びを与えたのだろう。

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一緒にいて心地いいのは、いろんな痛みを経験してきた人

撮影/本多晃子

──生田さんは子供の頃から『かいけつゾロリ』に慣れ親しんできたそうですね。

はい、ずっと読んでいました。自分の生活の中に普通に存在していた作品で、当時は楽しみの一部でした。

──今回、劇場版新作への出演が決まったときは、率直にどう感じましたか?

まさかこういう形で関われるとは思っていなかったですし、しかも歌手を目指す女の子の役なので歌もやらせてもらえるということは、すごいご縁ですよね。

──台本を読んで、ストーリーはどう思いましたか?

本当に単純な言葉を使うと、「とても良いお話!」って思いました(笑)。あまりに良いストーリーで、マネージャーさんにも伝えたほどです。

自分に自信がない、コンプレックスを抱いているような女の子が仲間たちと修行したり、励ましてもらってスターダムを目指していくというストーリーで、冒険のワクワク感もありますし。あと、この物語にはステージに立つ人じゃなくても共感できるような感情とか言葉も散りばめられているので、そこもいろんな人に響くんじゃないかと思いました。

──僕も台本を拝見しましたが、子供だけじゃなくて大人もハッとする言葉や場面がたくさんありますよね。

そうですね。特に「コンプレックスだと思う部分が魅力なんだよ」というメッセージは、まさに性別や世代問わずいろんな人に届くものだと思いましたし。

撮影/本多晃子

──生田さんが演じるヒポポは、ご自身の目から見てどんなところが魅力的でしたか?

弱い子なんだけど、人の気持ちに寄り添えるとか、誰かのことを照らせる力を持っていて、そういうところは彼女の魅力ですし、弱さだけではなく本人も気づいていないくらいの強さも備わっている子だなと思います。

──ご自身と重なる部分はいかがですか?

私に限らず、誰しも重なる部分があるんじゃないかなと思います。自信満々になんでもやれる人って、実はあまりいないじゃないですか。

そういう意味では、何事にも鈍感な人って羨ましいなと思うことがあるんですけど、私自身が一緒にいて心地いいとか素敵だなと思う人って、いろんな痛みを経験してきた人なんです。ヒポポちゃんはまさにそういう子で、私も少しでも誰かにとってそういう存在になれたらいいなと思いました。