がんの治療にかかるお金については、がんの種類やステージにより異なります。病院で支払う医療費以外にも、色々な出費がかかるケースがあります。

筆者が実際に聞いた経験談をもとに、がんにかかるお金にはどのなものがあるのか考えてみたいと思います。

がんの治療にかかるお金

子育て世代や働き盛りの若い世代でも、がんにかかる人は少なくありません。

乳がん治療を受けた40代女性のケースでは、病院窓口で本人が支払った医療費(3割負担)は約48万円程度だったとのことでした。

この方は片方の乳房部分切除手術を受けるために2週間程度入院し、投薬治療がひと段落したタイミングでお話を伺ったのですが、後日、民間のがん保険等で補填される予定とはいえ、一時的な出費としては負担が重かったとおっしゃっていました。

一般的な乳がん手術にかかる費用としては、乳房部分切除術が約30万~40万円、乳房全切除術が約20万~50万円程度だということです。

検査費用や入院費用、他の治療費用を含めると、自己負担金額は健康保険適用(3割負担)の場合、約20万~40万円程度となることが多いようです。乳房再建等の追加の治療を受ける場合、上記に加えて約30万円~60万円の費用がかかる場合があります。

『高額療養費制度』があるから大丈夫?

とはいえ、「医療費の上限(高額療養費制度)があるから大丈夫でしょう」と考える人もいるかもしれません。

『高額療養費制度』とは、公的医療保険制度のひとつであり、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定金額(自己負担限度額)を超えた分が支給される制度です。(例)40歳女性会社員:年収約400万の場合

ひと月の医療費が100万円だったとすると、窓口負担は3割のため自己負担金額は30万円。
高療養費制度が年齢や所得区分に応じて適用されるため、実際の自己金額は87,430円となる。
※2022年12月現在の公的医療保険制度に基づいて記載。詳細は厚生労働省ホームページをご参照下さい。

ただし、入院時の食事代や差額ベッド代等は含まれず、病院や治療の種類によっては治療費が全額自己負担となる場合がありますので注意が必要です。