予約必須のローマのコロッセオ。欧米の観光客は多いが、アジア人観光客はまだまばら

小学校低学年の頃、海外出張から帰ってきた父親が見せてくれる写真に釘付けになったことをよく覚えている。

なかでもとくに感激したのはベネチアの写真だ。

フォトギャラリー【アフターコロナの旅】ベネチア・フィレンツェ・ローマの見どころをさらに見る
  • ローマの聖マリア大聖堂前でいただくディナー。こちらのストリート・ギタリストは各テーブルを回り、やや強制的にチップを集めていた
  • ローマで見つけたストリート・ギタリスト。ジョン・レノンを意識したスタイルで、選曲はもちろん「イエスタデイ」
  • ローマの大衆食堂のトマトパスタ。トマトとオリーブオイルだけを使ったシンプルなトマトソースが店の味を左右するのだとか
  • 夕暮れどきのコロッセオ。入場には18ユーロ(約2500円)かかるが、外から眺めるだけでも十分迫力がある
  • 成田エクスプレスを思わせるイタロの赤と黒の座席。リクライニングシート周辺にはトレイ、カップホルダー、各種電源を完備

川べりのレンガの小道にベンチがあり、すぐそばに街灯が立っている。

人は写っていないのだが、異国情緒たっぷりのその写真は私のお気に入りで、写真立てに入れて勉強机に飾って眺めていた。いつかかならずこの風景を自分の目で見るのだと思いながら。

イタリアの街にはピザの量り売りもたくさんあり、テイクアウトが一般的。ピザを頬張りながらの街歩きも楽しい

初めてのイタリア、ベネチア散歩

あこがれの街ベネチア。世界中から観光客が訪れる。石畳と水路で構成された街には水上タクシーもある

あれから40年が過ぎ、ようやくその機会がやってきた。初のヨーロッパ旅行でイタリアは外せない。アイルランドでの興奮が冷めやらぬまま、2時間40分のフライトを経てついにイタリアの地を踏んだ。

ここからは娘と一緒のイタリア旅行。留学でヨーロッパに半年以上暮らし、あちこち旅もしている彼女は心強い味方だ。なんでもスマホでサッと調べて母を誘導してくれる。

ベネチアは狭いと聞いていたがそのとおり。旅行者がまず目指すべきはサン・マルコ寺院という建物があるサン・マルコ広場だ。

ベネチアの中心部、サン・マルコ広場とそれを取り囲むドゥカーレ宮殿、鐘楼、コッレール博物館。あまりの広さに驚くばかり

ホテルに到着するとすぐに広場を目指した。ホテルのフロントマンに最寄りのバス停から40分歩くと言われてギョッとしたが、彼が「素敵なお散歩になりますよ」と言ったとおり、ベネチアなら1時間でも2時間でも歩けると思った。

延々と続く石畳、花が飾られた出窓、レンガ造りの家に干された洗濯物までが素敵に見える。水辺にある街というだけで、なぜこんなに絵になるのだろう。あこがれていた写真通りの、いや、それ以上の風景が目前に広がっている。

サン・マルコ広場には数軒のレストランとテラス席があり、そばでバンド演奏をしている。音響効果が加わり、まるで映画のワンシーンのよう
イタリアの街のあちこちには小さな教会があり、誰でも入ることができる。歩き疲れたらちょっと休憩するのに最適。台湾の廟を彷彿とさせる