「ジムで知り合った既婚の男性と半年くらいお付き合いしていましたが、ホテルに行ったのは、酔った勢いとそれまで見てきた自信なさげに私にアプローチしてくる姿に心が傾いたせいだったと思います。

奥さんのことは絶対に話さないけれど、あまり大事にされていないのは服や持ち物を見れば何となく伝わってきて、私に『素敵な人だ』『人として尊敬している』とぎこちなく何度も言ってくる様子に、むげにするのが申し訳ないなと感じていました。

そういう油断がいけなかったと今は反省しています。

不倫関係になっても秘密は守るだろうなと信用して肉体関係まで進んでしまったけれど、しばらくはそれこそ新婚のように盛り上がりましたね。

あるとき、昔の恋愛について話していたら『結婚している高嶺の花を好きになった』と会社の上司について彼が言い出して、『叶わないと思ってもどうしても好きで、妻と結婚するまでずっと追いかけた』と聞いて何となく違和感を覚えて。

『奥さんのことを好きになったから結婚したわけじゃないの?』と聞いたら『その人と結ばれないなら誰でもよかったよ』とあっさり返してきて、そのとき奥さんとは親に勧められたお見合いで結婚したことを知りました。

『僕ってほら、一途だから』となぜか彼は自慢げで、一途ってそういう意味じゃないよね……と思ったけれど黙っていました。

その上司は今も会社にいて彼は毎日顔を合わせている状態、聞いていると『本当に素敵な人で』『部下への気配りの仕方を尊敬する』と、私に言っていた褒め言葉が出てくるのですよね。

上司の性格や人への接し方が私に似ていることに気が付き、『私ってその人の身代わりみたいだね』とつい口にしたら、はっとしたように私を見て黙る姿を見て、愛情が一気に萎えました。

本当に一途なら不倫なんてしないし結婚も避けるだろうし、結局その女性への恋心を持て余したままここまで来ただけで、彼の姿が何だかみすぼらしく見えてしまい……。

落ち込む私に気が付いた彼が必死に『君は君だから』と言ってきたけど耳に入らず、次の日に私から別れてほしいと言いました。

彼はその後すぐにジムを辞めたので消息は知りませんが、不倫する既婚男性って本当に自分の都合で妻以外の女性に手を出すのだなと実感しています」(40歳/総務)

今の自分のどこを見れば「一途」と言えるのか、不倫相手にこんな話ができる時点で恋愛観も結婚観もおかしいのではと感じます。

歪んだ執着を引きずる男性にありがちなのがその女性の身代わりを探すことで、本当の愛情も、相手を大切にする気持ちもないのが実際。

不倫すること自体まともとは言えないので、さっさと別れるのが自分のためといえます。