「僕、意外と鈍感なんです」
――樋口さんから見て、増子さんと葉が重なる部分はありますか。
樋口:言動とか、立ち振る舞いとかですかね。あどけないところとか、ちょっとおどおどしたりするときの感じとかは葉と重なる気がします。
性格面は、葉はあんまりしゃべらないし、天然だけど笑いのセンスがあるわけではなく、あっちゃんは天然だけど笑いのセンスはあるから、そこは違いますね。
あとは、葉のことを嫌いになる人っていないと思うんです。学生時代に仲間外れにされていたエピソードが出てきますけど、葉のことをきちんと知ったらそうはならないと思うし。そういうところは似てるところだと思いました。
――増子さんは自分と葉が重なると感じたところはありましたか。
増子:どうなんでしょう。やっぱり撮影期間は葉として生きていたいっていう想いもあったから、僕が気づいていなかっただけで、他の人から見ると重なる部分も垣間見えたのかなとは思います。あと、僕、意外と鈍感なんです。
樋口:いや、意外とじゃないよ(笑)。
――周囲にいるスタッフさんから笑い声が聞こえていますが(笑)。
増子:うそ? 鈍感かな?
樋口:うん、みんな思ってると思う(笑)。
増子:勘はいいって言われるんだけどな。
樋口:ああ、それはあるかも。確かに、勘はいいかも。雰囲気的に「こんなこと絶対にわかってないだろうな」と思われがちだけど、意外とわかっていたり、考えてるなって感じることが多い。「あっ、すごいな」って思う瞬間もあるし。
そこは今回、一緒にお芝居をしてみて初めて感じました。プライベートでの付き合いではわからない部分でした。
増子:あははは(笑)。
樋口:今、そんな笑うところじゃないよ(笑)。だから、そういうところだよ。
――(笑)。具体的に、増子さんの勘がいいと思ったのはどんなときですか。
樋口:お芝居でもそうなんですけど、話しているときの目の付け所とか。僕はもともとお笑いが大好きだから、周囲の面白いところがわりと目につくんですけど、あっちゃんもそこに気づいてたり。僕は好きで目がいってますけど、あっちゃんは頭の回転がはやいんだろうなって。
――では、逆に鈍感だなと思うところは?
樋口:ここまでのやり取り全部じゃないですか(笑)。鈍感というか、天然というか。
増子:なるほどね。
樋口:この「なるほどね」とか(笑)。
増子:僕が思っていた鈍感は、好きっていう気持ちを伝えられているのにそれを認識しなさそうなところだったんですけど。僕もそういう感じがある気がしているんですよね。
行為に気づいてはいるんですけど、そこから考えすぎたゆえに、相手が思っているのとは違う受け取り方をしてしまうとか。
樋口:それは誰かに告白されて、みたいなこと?
増子:そう。そういう節があるのかなって思う。