昨年末に開催された「コミックマーケット85」には3日間で52万人ものオタクたちが参加し、会場内だけでなく周囲の飲食店やコンビニなども例年通りの独特な熱気に包まれていました。

参加した多くのオタクが好きな作品の同人誌や企業のオフィシャルグッズなどを買い求め、私のようにコスプレイヤーを眺めたりなどして2013年最後の祭りを楽しんでいたように思います。

しかし、今回のコミケでは同人誌やCDなどを頒布していた参加サークルたちには、例年通りの楽しいコミケとはいかなかったようです。

 

冬コミ、ワイセツ表現への規制強化で混乱

2013年11月15日にコミックマーケットを運営する準備会から「【注意喚起】コミックマーケットにおける頒布物の表現について」というお知らせが発せられました。

青年向けのいわゆる「エロマンガ」の表現について、2013年10月以降に発売された商業誌を参考にモザイクなどの修正を行うようにという内容で、これまでの基準ではワイセツ物として法に触れる可能性が強くなってきたというコミックマーケット準備会の危機感が読み取れました。

これを受けて該当する青年向け雑誌やコミックスなどから情報を得て、自身の基準と照らしあわせた修正を行って「コミックマーケット85」に臨んだサークルが多かったのですが、残念なことに当日の会場では多くのサークルが修正不足を指摘され、並べられたテーブルの上には販売停止カードが大量に貼り出される事態となっていました。

指摘を受けたサークルは現地で追加修正の作業を行ったものの、開場時間には間に合わず……頒布を行いながら修正するという自転車操業状態で乗り切ったサークルもあったそうです。

一部からは事前に正確な基準を示してほしかったとの声が上がっていますが、"コミケ独自のルール"を決定してしまうのは非常に危険なことで、準備会としてもプロ・アマを問わない"創作の楽園"を運営する立場にあるからこそ、判断の難しい問題だったのではないでしょうか。