少年ジャンプの看板漫画『ONE PIECE』が休載、作者は病気で入院――
先ごろ、こんなニュースが世間を騒がせた。病名は扁桃周囲膿瘍で、復帰まで2週間かかるとのこと。今年2度目の休載だけに読者はハラハラさせられたが、この機会にじっくり治療を受けてほしいものだ。
尾田栄一郎
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現在は少年ジャンプ公式サイトに作者・尾田栄一郎氏のメッセージと、休載に関する編集部からのお詫び文が仲よく掲載されている。なおジャンプ今週号の告知によると、復帰予定の号は『ONE PIECE』が巻頭カラーを飾るそうだ。さすが看板作品だけあって派手な待遇だが、一方では「病み上がりの漫画家に巻頭カラーで負担をかけるとは何ごとか!」と批判的な意見もファンからは聞こえる。
思えば現在の週刊少年ジャンプは、“休載すればニュースになる作品(ONE PIECE)” と “掲載されればニュースになる作品(冨樫先生のアレ)”が同居している不思議な雑誌だ。
そこで今回は、ちょっと気になったので、休載漫画にまつわるあれこれを調べてみた。
休載で有名な“2大漫画”といえば?
ネットの大型掲示板で休載漫画についてスレッドが立てられるとき、必ず候補の筆頭に挙がるのが『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博)と『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』(萩原一至)の2タイトル。いずれも少年ジャンプ掲載、幅広いメディアミックス、長期連載……というメジャー作品の条件を満たしているため、良くも悪くもファンから話題にされることが多い。
冨樫義博
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『HUNTER×HUNTER』は『ONE PIECE』より半年ほど遅れて連載スタートし、最新コミックスは32巻。ほとんど休みなしの『ONE PIECE』が69巻まで出ていることから考えると、『HUNTER×HUNTER』はおよそ2週に1回休載している計算になる。
ただし誤解されがちだが、冨樫氏は昔から休載の多い作家だったわけではない。連載デビュー作『てんで性悪キューピッド』、出世作『幽☆遊☆白書』、月間ペースで連載された『レベルE』を通じて休載は数えるほどしかない。相当疲弊していたと思われる『幽☆遊☆白書』連載末期でさえ、ほぼ毎週のように掲載されていた。
それが最新作『HUNTER×HUNTER』から一転、長いときには1年以上休載するわ、下書きの状態で本誌に掲載されるわ、32巻ではついに「単行本でも下書きのまま」という偉業(?)を達成するわ、連載ペース&作画クオリティの両面で少なからずファンを落胆させるようになった。
公式コメントが出ていないだけにファンはあれこれ休載理由を想像し、ネット上でもたびたび議論がかわされている。以下はその一部だ。
・体調不良説
・ゲームにハマって仕事どころじゃない説
・離婚説(これは悪質なデマとの見方が強い)
・子供のお受験説
いちおう断片的な情報はさまざまなメディアで作者自身から語られており、それらから推定するに“『幽☆遊☆白書』で無茶しすぎた。『HUNTER×HUNTER』では無理なくやりたい”といったところか。その結果が下書き掲載かよ!と突っ込みたいファンの心理は分かるが、どうか体を壊さずがんばって欲しい。