5: 「断れば損をするぞ」と言う

自分の提案は相手にとって最上のものであり、受け入れない相手がおかしいと決めつける人が口にする言葉に、「断れば損をする」があります。

これも相手を下に見ているから出る言葉であり、断ってくる相手がしゃくに障るだけです。

何が「損」になるのかは人それぞれ違うはずで、拒絶される自分を見たくないからこんな言い方で相手の価値を下げるのですね。

自分の要求は受け入れられて当然、と思う人は、相手のためを思うふりをして自分の存在感をねじ込んできます。

人を対等な目で見れば「断られるときもあって当たり前」であり、それを許さないような言い方をする人は、お付き合いを避けるのが最善といえます。

本当の「善意」には選択の余地がある

仲のいい人、親密な関係の人には「何かしてあげたい」と思う、自分が手にしているものについて誰かにとっても価値があるはず、と思うのは誰にでもある気持ちです。

それを提案するとき、本当に善意や好意がベースにあれば、「受け入れるかどうかは相手が決めること」というわきまえも同時に生まれます。

自分と相手は違う人間なら、価値観や考え方が同じでないこともあり、またタイミングが違えば気持ちが揃わないときもあって当然ですよね。

差し出された提案をどうするか、本当の善意や好意には相手に選択の余地があり、その結果を受け入れるのが信頼の証です。

断る側にも自分と等しく事情があり、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えてくれる姿を正面から見ることも、居心地のいい関係を続ける大切な秘訣。

断られたことで不機嫌や怒りを見せる人は、自分を満足させるのを相手の役割にしている証拠であり、楽しいお付き合いは難しいですよね。

自分が人に何かをしたいと思うときも同様に、相手の状態や価値観を正しく見る目を忘れないことが、あたたかい絆を育てるコツといえます。

どんなにありがたい提案であっても、自分の事情が合わなければ受け入れることは難しく、断るしかない場面もあります。

そのとき不満を見せてくるような人は、こちらの好意を当然とし奪いたい気持ちがあるのでは、と感じます。

信頼は、それぞれの事情を認めあうことも大切ではないでしょうか。