他人に対して「甘え」がある

たとえば会社の同僚で、突然ため息をついて大きな物音を立てながら書類などの整理をし、明らかにイライラした様子で顔をしかめているのを見れば、「何かあったのだろうか」と心配になりますよね。

社会人の自覚がある人なら、不機嫌さをそのときは隠せなくても、周囲の気配で自分へのネガティブな関心に気が付いたら「ごめんなさい、ちょっとミスをしてイライラしちゃって」と理由を話して態度を改めます。

その自分が周りをどんな気持ちにさせるかを想像するから、「他人を振り回すのはいけないこと」と思って不機嫌さを出すのは控えますよね。

フキハラをする人はこのわきまえがなく、どんな理由であれ「気分を害している自分」をそのまま見せ続けます。

そうしていれば周りの誰かが「どうかしたの?」と声をかけてくれる、そこでイライラの原因を話したい、「大変だったね」と労ってほしい。

自分から状態を説明するのではなく「声をかけられる」「心配してもらえる」自分を先に見たいのが本音で、「こんな姿を見れば放っておかないはず」という下心があります。

他人に対して大きな甘えがあり、不機嫌の原因に周囲の人間は関係ないとしても、それはどうでもよくてとにかく「機嫌を損ねている自分」を見て構ってほしいのですね。

自分の状態に責任を持つ気がなく、周囲の助けによって快適な状態を取り戻したい、そう思う自分に違和感を持ちません。

「自分はケアをされて当然」と思いこんでいるのがフキハラをする人の心理であることを、忘れてはいけません。