初心者の方におすすめ「新NISA」を始めよう!

将来必要なお金を把握するためにはライフプランシートの作成がおすすめです。これを作ると、誰が、いつ、どういったことで、いくらお金がいるかを可視化できるので貯蓄計画が立てやすくなります。

ライフプランシート例

そして、資産運用でとくに投資初心者におすすめしたいのは、国が用意している税制面で有利な制度はしっかり活用すること。NISA、iDeCoがそれにあたります。

預金、株式、投資信託など金融商品で得た儲け=運用収益には、税金がかかります。税率は約20%。ところが一定の範囲内でこれが非課税となるお得な制度の1つがNISAです。

NISAは、つみたてNISA、一般NISAが2024年より新NISAとして拡充され利便性が高まり、資産形成には強力な味方となってくれます。

新NISA制度は、改正前のNISA制度の弱点を補う形で拡充されています。そのためこれから投資を始める方にはおすすめです。

また、iDeCoは老後資金作りの王様とも言われているように、掛金の全額が所得控除の対象。そのため所得税と住民税が軽減されます。つまり、将来のために積み立てたお金を所得から差し引くことが出来て、税金はかからないという仕組みです。

運用によって得た収益についても非課税、60歳以降、積み立てた資産を受け取る際に、全額をまとめて受け取る場合は退職所得控除が受けられるなどの恩恵もありますが、注意したい点は、運用の目的が老後資金作りに限定されていることです。60歳までは引き出しができないこと、そして中途解約もできないということを知っておく必要があります。

比較的若い人には、老後資金の前に住宅資金や教育資金といったお金が必要になる場合が想定されます。まずは必要な資金の準備から始めて、余裕が出来たらiDeCoで老後資金の準備を始めるという優先順位をつけるとより賢くiDeCoの活用ができるでしょう。

資産を守るために必要なリスクマネジメントとは?

病気・災害への守り、万が一の保障は保険の利用方法をしっかり考えるということになります。

まず保険で備える意味についておさらいしておきましょう。不測の事態によって生じた比較的大きなマイナスを補填するという役割と、がんなどを患い収入が減ったり、ゼロになったりすることへの保障と言った資産や収入を守るという役割があります。またこれ以外にも資産形成を成功させるための役割でもあります。

投資を始める際には必ず同時にこの守りを固めることを行って頂きたいと思います。投資を継続するための環境づくりであり、つまりはリスクマネジメントです。

そして、例えば投資で失敗する大きな原因の一つが思いがけない急な出費によって投資資金を取り崩さなければならなくなることです。せっかく未来に向けて投資をしているにも関わらず、取り崩してしまうことによって振り出しに戻ってしまいます。

この急な出費の対処法では、例えば年間に発生する特別支出の概算を把握し、それ専用の預金口座を作っておくなどすると安心です。

家族構成や職種にもよりますが、年間100万円くらいは確保しておくとをおすすめします。参考までに年間特別支出に該当するものは下記のとおりです。

税金全般(市民税、自動車税、固定資産税など)、車検、お中元、お歳暮、駐輪台の年払い、年払い保険料、ふるさと納税のお金、大型家電が故障した時や冠婚葬祭など緊急予備費用

家計簿は、家計のバランスシートを健全にしていく(我が家の純資産を増やしていく)ことを目的とした重要ツールであること、また、教育費や老後資金など将来必要なお金に対して「何とかなるさ~」とならないように、ライフプランシートを活用して、先のことを「見える化」することが資産形成ではとても大切です。

2024年も始まったばかりですので、この度紹介しましたシートを一つでもご活用いただければと思います。

【執筆者プロフィール】今村 恵子(いまむら けいこ)

キッズ・マネー・ステーション認定講師 / ファイナンシャルプランナー
金融業界に勤めた経験を活かし、子どもたちが、お金について楽しく学べる講座の開催や、主に 20 代~30 代層の働くママ・これから結婚出産を考えている方、お金の悩みがある方をメインにライフプラン・キャリアプラン、家計のカウンセリング、個別相談業務を行っている。

「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約300名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2023年までに2000件以上の講座実績を持つ。公式サイト「キッズ・マネー・ステーション