自分とは似ていない人に興味が沸く

©「マイストロベリーフィルム」製作委員会・MBS

――演じる上で、凌は光のどんなところに惹かれたと思っていましたか。

深田:それについてはバナさんとも話したんですけど、僕的には、凌は自分からいくタイプではないので、光のほうから自分に興味を持って、話しかけてきてくれたことが大きかったんじゃないかと思いました。

凌は自分に自信がなくて、自分からグイグイいけないけど、そこに光がちゃんと気付いていてくれて、凌がほしい言葉をかけてくれたり、真っ直ぐに気持ちを伝えてくれたりする感じが、刺さったんじゃないかなって。そういう部分に人として惹かれていったんじゃないかと思います。

――自分とは正反対の光に惹かれる凌の気持ちは理解できましたか。

深田:めっちゃ共感できました。僕も自分とは似ていない人に興味が沸いて、好きになるので。そもそも人に興味があるので、自分と似ていないと「なんで? なんで?」って、より興味を刺激されるんだと思います。

――光はフィルムの少女という、現実にいるのか、いないのか、わからない人に一目ぼれしますが、その気持ちはどのように感じていましたか。

矢花:シチュエーションとしてはかなりまれなケースですよね(笑)。テレビを観ていて芸能人を好きになるとかならまだしも、実在しているかもわからない。けど、だからこそ興味をそそられる面はあると思っていました。

一目ぼれ的なことは、例えば、幼少期に「このヒーローカッコいい!」って憧れたり、深く知る前にビビッと来て興味が沸くみたいな気持ちは想像ができました。光は純粋にこの子に惹かれているんだということを意識しながら演じていました。

――矢花さん自身は、一目ぼれの経験はないですか。

矢花:自分で例にあげましたけど、僕は戦隊ものとかも通らずに育ってきたから。でも、小学校のときの初恋は一目ぼれでした。

深田:マジっすか?

矢花:(笑)。だから、当時の記憶も呼び起こして、どういう気持ちだったのかを考えたりもしました。どんな人とかは気にせず、とにかく直感だったんだろうなと。

きっと、学生時代にそういう経験がある人もたくさんいるだろうし、僕も、せっかくこういう役を演じさせてもらえるのだから、この気持ちも体験してみようと思ってやっていたました。

――そうすると、今は一目ぼれすることはないのですね。

矢花:でも、「この人、すごくカッコいいな」とか、深く知る前から気になるみたいなことはあるから……そう言われてみると、今でもある感覚ですね。だから(一目ぼれは)しますね(笑)。今、話をしていて気づきました。