自転車にスピーカーは良い相棒♪

イヤホンをつけたままの自転車走行をしてしまっている姿を街で見かけたことはないでしょうか。ワイヤレスイヤホンとスマートフォン(スマホ)の普及によって、どこでもイヤホンをつけたまま走行したくなる気持ちは分からなくないですが、イヤホンをつけての走行は危険ですし、そもそも違法です。そこで「自転車対応Bluetoothスピーカー」の出番です。

イヤホンをつけての自転車運転はNG!骨伝導や片耳イヤホンでも要注意

自転車に乗りながら音楽を楽しむには、安全に配慮することがなによりも重要です。警音器(クラクション)や緊急自動車のサイレン、警察官による指示、通行人などからの呼びかけなどが聞こえないようなボリュームや状態での運転は危険ですし、法律や条例に抵触する場合があります。

骨伝導イヤホンならOKかというと、各自治体によって異なります。イヤホンに限らず、きちんと外部の音が聞こえないような状態での運転自体が危険なため、取り締まりの対象となる可能性があります。また、そのような状態で、もし事故を起こした場合、運転している側の責任負担が大きくなる可能性もあるので要注意です。そのため、運転の安全に配慮しながら楽しめる自転車対応Bluetoothスピーカーが適しているのです。

なお、警察庁に問い合わせしたところ「具体的な個別案件には回答できない」という返答でしたので、気になる人は自治体に問い合わせてみてください。

自転車運転に向いているBluetoothスピーカーのタイプ

自転車運転に向いているスピーカーにはいくつかのタイプがあります。

ハンドル固定型スピーカー

ハンドルにしっかり取り付けて使うタイプのスピーカーです。多くのものは防水仕様になっていて自転車で利用できるようになっているのですが、取り付け取り外しがパッとできるかというと、そうでもありません。また、ハンドルの径が太いものや細すぎるもので使えるか、買ってみないと分からないという弱点があります。

スマホを自転車に取り付けて、スマホから音楽を聴く

そもそもスマホにスピーカーがついているのだから、スマホを自転車に取り付ければいいという考え方もあります。

この場合、メリットとして、GoogleMapなどで道順を確認することもでき、音楽も聴くこともでき一石二鳥のような気もしますが、やはり道路で自転車を走られていると、スマホのスピーカーでは音楽がよく聞こえないことも少なくありません。

おすすめは「自転車にぶら下げて使うスピーカー」

おすすめは、自転車のハンドルやカゴにぶら下げて使うことができるスピーカー。こういったタイプのスピーカーのメリットは、

(1)レンタルサイクルなどにもさっと装着できる

(2)取り外しも簡単なので、つけっぱなしで盗まれる心配がない

(3)スマホのスピーカーより音質が良いので、運転しながらでも音楽が聞こえる

(4)骨伝導イヤホンと違い、音源が耳から離れているので、周囲の音もきちんと聞こえる

という点があげられます。

「自転車にぶら下げて使うスピーカー」は自転車のカゴなど、自由にぶら下げることができます。もちろん防水処理なので、多少の雨や水しぶきでも問題ありません。

カゴのないサイクリング型自転車には…

カゴのないタイプの場合、ついブレーキワイヤーにぶら下げたくなってしまいますが、滑り落ちて前輪に絡みつくことによって転倒・事故、ワイヤーが引っ張られてブレーキがかかってしまうことによる事故などの危険性があるのでブレーキワイヤーにぶら下げることは決して行わないことをおすすめします。

マジックテープの結束バンドの併用がおすすめ

100均のアウトドアコーナーなどで売っているマジックテープの結束バンドを併用し、スピーカーをぶら下げれば、カゴのない自転車でもスピーカーをぶら下げることができます。

結束バンドを使えば、自転車本体にぶら下げることも!

スピーカー本体が小さいので、自転車から降りたらバッグなどにしまっておけるので、盗まれる心配がありません。

結束バンドを使えば、ハンドルにぶら下げることもできます。

電動キックボードにも!

LUUPなどのシェアキックボードのハンドルはスロットルとしての役割がないので、写真のようにぶら下げてもスロットルが作動する心配がなく、ハンドルにぶら下げることもできます。

LUUPのライト部のケーブルに直接ぶら下げることもできることはできますが、ひっぱった負荷でケーブルに損傷が起こる可能性もあるので、ここにぶら下げるのはやめておいた方がいいでしょう。

また、ハンドルにぶら下げることも「運転の妨げになる」と判断されると、危険な上、危険運転などとして条例などに抵触する可能性があるので要注意です。

自転車などにぶら下げる場合、以下を注意しましょう。

○自転車カゴなど車載器具にとりつける

○ボディのフレームなど運転に支障がない部分にとりつける

○リュックなどにぶらさげる

○ハンドルなどに車載器具以外にとりつける場合は、自治体ごとにルールが異なることがあるため、自治体に問い合わせてからとりつける(自転車屋さんに聞いてみるのも一つの手段)

いずれにせよ「運転に支障が出ないようにする」ことが重要です。

自転車にスピーカーをつけて使うデメリット

自転車にスピーカーをつけて使う上でデメリットも、もちろんあります。

「音楽がダダ漏れ」になる

人に聞かれたくない音楽もあるので、人に聞かれているところを知られたくない楽曲、また音楽がダダ漏れなこと事態が恥ずかしい人には向かないかもしれません。

「通話機能がない」

スピーカータイプであることと、マイクがついていないので、運転しながらスマホで通話することができません。イヤホンかヘッドホンを使わないと実現が難しいので、自転車を運転しながら「安全」で「合法的」に通話をするのは現段階で難しいといえます。

スピーカーをつけて自転車に乗る最大のメリット

スピーカーをつけて自転車に乗る最大のメリットは、天気の良い日に音楽をかけたサイクリングは気持ちが良いということに尽きます。筆者は、ハンドルに固定型のスピーカーで通勤時に鳥のさえずりのヒーリング環境音をかけながら道路を走っていて、信号待ちのときに空を見てキョロキョロしている人に出会ったことがあります。筆者の自転車から流れる鳥が、本当にどこかにいると思って探していたのです。申し訳ない気もしましたが、そこには6~7人の信号待ちの人がいて、1人以外は誰一人、無反応でした。

イヤホンをしている人、スマホをみている人、と何かに追われて忙しそうで、1人でしたけど鳥が鳴いている声を共有できたのは、ちょっと幸せな気分になりました。スピーカーを連れて自転車で出掛けてみて、今までとは違う経験をしてみてはいかがでしょうか。(ITプロデューサー・Jag山本)

Jag山本(山本釈弘)

ITプロデューサー。Webマーケティング・メディア運営などを行っている。武蔵野美術大学大学院非常勤講師。著書に「新IT時代への提言」(アスキー総合研究所)など。Jag Project,LLC代表