歴史上の人物や著名人の墓を巡る人を、”墓参り”とひっかけて『墓マイラー』と呼ぶのを知っているだろうか? 歴史好きの女子「レキジョ(歴女)」ブームにも後押しされ、墓参り=年齢の高い人というイメージを崩し、若いカップルや夫婦で楽しむ人も増えているのだとか。

そんな『墓マイラー』のひとりで、全国各地の墓を巡り歩いているイラストレーターのあきやまみみこさんに、『墓マイラー』の魅力や楽しみ方のコツ、そして肝心のマナーを聞いてみた。

まずは、もともと『墓マイラー』と誰が名付けたのですか?と伺ってみた。

 

「カジポンさん(文芸研究家 カジポン・マルコ・残月氏)が名付けたというのが定説ですが、糸井重里さんが「今日墓マイラーしてきたよ」と言ったという説もあります。わたしは2009年くらいに初めて聞きました。

また、その昔文人たちがお墓を巡る『掃苔(そうたい)』という風雅で酔狂な趣味があったそうです。(”掃苔”とは"お墓参り"の意味)。そのため『墓マイラー』とは言わず、『掃苔家』と言う人もいます」

『墓マイラー』の名付け親というカジポンさんは、敬愛する作家・ドストエフスキーの墓参りをした時のことを、自身のウェブでこう綴っている。

「それまでドストエフスキーの作品に強く影響されながらも、作者本人は架空の人物のようでリアリティがなかった。だけど、実際に目の前の墓と正面から向き合ってみると、「嗚呼、本当に彼は実在したんだ!」と全細胞が打ち震えた!」(カジポン氏・公式サイト文芸ジャンキー・パラダイスより抜粋)

故人の墓といえば厳かなイメージ。観光とは到底なり得ない。しかし、あの新撰組いちの美男子といわれた沖田総司の墓は、年に一度しか回廟されないのだが、回廟日には総司のファンが殺到するとのことだ。また大河ドラマで坂本龍馬が主人公となったときは、京都の龍馬の墓が、京都を訪れる人の観光スポットとなったという。