画面サイズ、OS、SIMフリー……、タブレット端末の今後のトレンドを予想!

2014.6.2 20:44配信

今年5月で、日本での発売から丸4年を迎えたアップル「iPad」。「iPad」の登場をきっかけに生まれた新ジャンル、タブレット端末は、家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、当初は「iPad」の独壇場だったが、今はOSにAndroidやWindowsを搭載した製品も一定のシェアを得ている。ASUS製のGoogleタブレット「Nexus 7」や「iPad mini」が人気を集め、画面サイズの主流は当初の9~11インチから7インチ台にシフト。最近は、8インチ台のシェアも高まっている。本格的な立ち上がりから数年がたち、画面サイズやOSなどのバリエーションが広がり、組み合わせて使う関連アクセサリも増えている。

●今年3月の販売台数は過去3年間で最多、Android/Windowsが大きく伸びる

2013年のタブレット端末の販売台数は、前年から大幅に増加した。上半期は、アップルの「iPad mini」とASUSの「Nexus 7」、8月以降は、新しい「Nexus 7」(2013年モデル)やASUSの「MeMO Pad」シリーズ、アップルの「iPad Air」なども人気を集めた。今年に入っても、タブレット端末全体の売れ行きは好調で、消費税増税とWindows XPの製品サポート終了を目前に控えた3月は、前年同月比157.0%という高い伸び率を記録した。ノートPCやデスクトップPCに比べ、全般的に安く、消費税増税の影響が少ないにもかかわらず、各種セールや“ついで買い”によって、駆込み購入が発生していたようだ。

「iOS」「Android」「Windows」を合わせたタブレット端末全体の14年3月の販売台数は、11年4月以降最も多く、過去最高を更新。4月も前年同月比100.0%と、前年並みの水準を維持した。なかでもWindows 8.1を中心とした「Windows系」は、昨年の時点では販売台数が極めて少なかったこともあって、5か月連続で前年同月比500%超と、大きく伸びている。月末に「iPad 2」が発売になった11年4月のタブレット端末の総販売台数を1とすると、今年3月は8.6、4月は5.0。月によって増減はあるものの、この3年間、おおむね右肩上がりで推移してきた。

大きくなりつつある市場のなかで、「iPad」のシェアは相対的に低下している。過去3年間のOS別販売台数シェアの推移をみると、12年9月までは、「iPad」のOSである「iOS」が最も多かった。それ以降は、月によって「iOS」と「Android」の順位が入れ替わり、13年のトータルでは「Android」が48.7%、「iOS」が45.7%を占め、初めて「Android」が年間シェアトップに躍り出た。

また、新たな動きとして、Windows 8.1を搭載した8インチのレノボ「IdeaPad Miix 2 8」や、ASUSの「TransBook T100TA」などが売れたことで、「Windows系」のシェアが拡大。13年12月に初めて1割を超え、その後も10%台後半をキープしている。Windows 8.1/8は、タブレット端末に限ると、「iOS」「Android」に次ぐ「第3のOS」として受け入れられつつあるといえるだろう。

●見直される10インチクラス、急拡大する8インチ

機能や使い勝手を左右するOS以外にも、画面サイズ、ストレージ容量、カラーなど、選択ポイントは多い。画面サイズを、「7インチ未満」「7インチ台」「8インチ台」「9~11インチ台」「12インチ以上」の五つに分けると、時期によって、販売台数の多い人気のサイズが移り変わっている。その変化はかなり鮮明だ。

2011年4月から12年9月までは「9~11インチ台」が7割以上を占め、主流だったが、12年10月を境にがらりと変わり、「7インチ台」が中心になった。変化のきっかけとなった「Nexus 7」に「iPad mini」が加わり、「7インチ台」のシェアは、一時8割近くまで上昇したが、昨年11月の「iPad Air」の発売後、50%台にやや低下した。「iPad Air」の登場によって、オリジナルの9.7インチサイズの「iPad」が改めて評価され、買替えも活発化したようだ。同時に、13年12月以降、それまでほぼゼロに近かった「8インチ台」の販売台数が急増し、全体の1割ほどを占めるようになった。

●今後のトレンドを予想! 「ノートPC置き換え」を狙う大画面モデルが伸びる?

これらのデータをもとに、今夏以降のトレンドを予想したい。まず一つ目、ベストなサイズは、どのサイズか。「Nexus 7」「iPad mini」のヒットを受け、「7インチ台」が定番になるかと思われたが、ここにきて、流れが変わってきた。7.9インチの「iPad mini」は、そもそも7インチ台ではなく、8インチ台に分類したほうが適切かもしれない。そう考えると、販売中の「Nexus 7」新旧モデルが完売した後は、8インチと、「iPad Air」をはじめとする10インチ前後、そして、今はごく少数にとどまっている12インチ以上に分かれそうだ。

5月20日、米マイクロソフトは、従来より大きな12インチの液晶ディスプレイを搭載した「Surface Pro 3」を発表した。日本では、一般向けのCore i3モデルを除き、7月17日に発売する。新モデルのコンセプトは、「真にノートPCを置き換えられるタブレット」という。また、インターネット上では、「Nexus 7」の後継機として、8インチの「Nexus 8」が近々登場するという噂が流れている。内閣府の調査によると、今年3月末時点のタブレット端末の世帯普及率は20.9%。パソコン(78.7%)やスマートフォン(54.7%)に比べると低く、魅力的な製品が登場すれば、まだ伸びる余地はある。

●「格安SIM」や「データシェア」をきっかけに、セルラーモデルが広がる?

タブレット端末は、主に自宅やオフィス内で使用するWi-Fiモデルと、SIMカードスロットがあって、単体でデータ通信できる通信機能つきモデル(セルラーモデル/モバイル通信対応モデル)に分かれる。セルラーモデルは、「Nexus 7」や「YOGA TABLET 8」、「ASUS Fonepadシリーズ」など、ごく少数のSIMロックフリーの機種を除いて、通信事業者が販売しているので、購入時に回線を契約する必要がある。月によって若干上下するが、ここ1~2年は、Wi-Fiモデルが全体の8~9割程度を占め、セルラーモデルの比率は1割前後にとどまっている。販売台数はやや増加傾向にあるが、伸び率はWi-Fiモデルに比べると低い。この要因は、スマートフォンの爆発的な普及、通信料金の高止まり、SIMロックフリー機種の少なさなどが挙げられる。

ドコモの新料金プラン「カケホーダイプラン&パケあえる」や、今夏に開始予定のKDDI(au)の「データシェア」サービスは、伸び悩んでいる通信機能つきタブレット端末に興味をもってもらい、料金面の割高感を払拭するための施策だろう。キーワードは、スマートフォンとのデータ通信の「シェア」だ。

さらにドコモは、6月10日に「iPad Air/iPad mini Retinaディスプレイモデル」のWi-Fi + Cellularモデルの取り扱いを開始する。iPhoneほどのインパクトはないものの、「ドコモ参入」は、最近Android陣営に押され気味だった「iPad」のテコ入れにつながるはずだ。また今後、SIMロックフリーのモバイル通信対応モデルが増え、MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する「格安SIM」が一般化すれば、毎月の負担を抑え、気軽に利用できるようになるだろう。

今後も、タブレット端末の主流は、維持費がかからず、「ノートPC置き換え」のニーズを満たすWi-Fiモデルであることは間違いない。しかし、タブレット端末ならではの可能性を占うという意味で、「データシェア」や「SIMフリー×格安SIM」など、新たな動きが出てきたセルラーモデルに注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

※現在、マイクロソフトの「Surface」シリーズ、Amazonの「Kindle Fire」シリーズは、集計対象外となっています。また、Google Play、Apple Store、ソニーストアなどの直販分は含んでいません。

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