【ラスベガス発】世界各国から多くの来場者が訪れている「2012 International CES(CES 2012)」。会場のラスベガス・コンベンション・センターで、まず来場者が立ち寄るのが、大手メーカーのブースが多いセントラル・ホールだ。出入り口付近にはマイクロソフトがブースを構え、人だかりができている。
マイクロソフトがアピールしていたのは、新OS「Windows 8」にも採用される新たなユーザーインターフェース「Metro UI」。ブースのデザインも「Metro UI」を基調にしたデザインに仕上げ、そのなかに「Windows Phone」「Skype」「Windows 8」「Kinect for Xbox360」「What's Next」などのコーナーを設けている。
「Windows Phone」のコーナーには、「Windows Phone OS」の搭載に力を入れているノキアをはじめ、主要な端末メーカーの製品がずらりと並んでいた。しかし、ここに日本の富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製端末の姿はなく、スマートフォン連動のデモ機としてPCコーナーに何気なく置かれていた。
昨年、マイクロソフトが買収した「Skype」のコーナーは、特に目立つ展示はなく、インターネット電話のアピールにとどまっていた。しかし現在、米国本社でマイクロソフトとSkypeの開発チームが統合して新しいサービスを開発中という。日本でも、Skype日本法人のスタッフは日本マイクロソフトの社員になっており、機能連携を中心とした新サービスに期待がかかるところだ。
「Windows 8」のコーナーを設置するのは、一般向けイベントでは今回が初めて。ブースを訪れた人のほとんどが、まず「Windows 8」のコーナーに行くコースをたどっていた。特に「Windows 8」の「Metro UI」で、PCの使い勝手がどのように変わるのかに興味をもっているようだ。「Windows 8」は、今年2月にプレビュー版が提供される予定で、さらに注目が集めそうだ。
「Kinect for Xbox360」のコーナーでは、来場者がダンスを楽しんでいる姿を見ることができる。「Wii」「PS3」が幅をきかせる日本では、「Xbox」は存在感が薄い。しかし「Xbox360」は、世界で累計6600万台を販売する一大勢力であり、そのうち「Kinect for Xbox360」だけで1800万台を占める。「Kinect 」は、今年2月には日米を含む12か国で、Windows PC向けの入力コントローラ「Kinect for Windows」が発売される予定。さらに日本では、ストリートダンスが「表現運動・リズムダンス」として教育課程に導入されつつあることから、日本でも「Kinect」が人気を集める可能性は十分にある。
マイクロソフトは、すでに次回のCESには出展しないと発表している。まだ正式に決まったわけではない、との声もあるが、もし最後であるとするなら、まさに有終の美となる充実した展示だった。