その報酬、時給に換算すると…?

初めてライティングの仕事をする際、まず注意しておきたいのが報酬です。これまで取り組んだことのない仕事ですから、もちろん相場など知らないでしょう。プロライターならば自身のホームページ等で料金表を設けている場合もありますが、未経験者でそこまでの報酬を得ることは難しいはずです。

そうなると、恐らく多くの方々はインターネット上で見つけた仕事の報酬額から相場を見出すのではないでしょうか。しかし残念ながら、ライティング案件の相場は表面的にどんどん低単価になっています。Webコンテンツの記事作成などは1文字当たりで算出する文字単価をベースに報酬が表記されているのですが、1文字0.5円を切るような仕事がその多くを占めます。

例えば400文字の文章を、あなたはどのくらいのスピードで書けるでしょうか?しかも、ブログのように好き勝手書くのではなく、依頼元の要望(テーマや構成、挿入キーワードなど)に沿った文章です。テーマ・内容によっては、インターネットや本などで情報を調べることも必要になります。さらに場合によっては、作成した記事の修正を求められることもあるでしょう。
 

コンビニパートの方がずっと稼げるケースも…?

では、例えば「400文字の文章作成で1文字0.3円」で実際の報酬を考えてみます。簡単な計算ですのでお分かりかと思いますが、1記事書いて120円です。情報収集・記事作成・修正の全フローで、もし30分を要するなら時給は240円ということになります。

ちなみに厚生労働省で定められている『最低賃金』の全国加重平均額は764円(平成25年現在)。これでは、最低賃金の約半分しか稼げないことになります。つまり、近所のコンビニエンスストアでパートしていた方が、ずっと多くの収入を得られるのです。

最近では依頼側が、「時給換算で○○円程度です」と募集情報に記載していることもあります。しかし、これを鵜呑みにしてはいけません。そのほとんどは、実の伴わない見せかけの数字だからです。実際にライターとして仕事をしている身からすると、「未経験で、そんなに書けるわけがないだろう」というものが数多くあります。もちろん各個人のスキル次第ですが、“納品完了”になるまでの作業工数をしっかりイメージして、対比してみてください。

収入が全てではありませんが、中にはそれが大きな目的という人もいるはず。もちろん「自宅で働ける」というメリットはありますし、新しいことにチャレンジしているというやり甲斐はあるかもしれません。しかし、これが本当に望むワークスタイルでしょうか。空き時間とはいえ貴重な自分の時間を、安売りすることが果たして本当に望むことなのか。未経験だとはいえ、時間を割いて仕事をする以上、そこには見合うだけの報酬があるべきです。