女性の美容と健康に大きな影響を及ぼす「膣ケア」(インティメイトヘルス・ケア)。最近はデリケートエリア専用のコスメも増えてきましたよね。

女性にとって身近な問題でありながら、日本は「膣ケア」後進国。

「学校で習った最低限の知識しか持ち合わせていないことが多い」と話すのは、聖順会ジュノ・ヴェスタクリニック八田の八田 真理子院長。

今回は、八田院長の著書『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』(アスコム)から、正しい「膣ケア」のポイントをお伝えしていきます。

日本は「膣ケア」後進国

加齢や生活習慣と月経や膣の状態は密接に関わっています。自分のステップに応じて女性のカラダについて知っておくことが大切。

「フランスやフィンランドなど海外では女性が心身ともに健やかに生きるためのたしなみとして、性教育が行われています。
デリケートエリア専用のソープや保湿剤、潤滑ゼリーなども種類豊富に、しかも堂々と販売されています。
反対に日本はどことなくタブー視されるという風潮にあり、学校教育で教える内容は最低限ということが多いようです。
女性が健康を維持し、自分を守るために、本当に知っておかなくてはいけない月経の意味やSTI(性行為感染症)、避妊について、正しい知識を得られる機会はほとんどありません」。

出典(『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』)

日本の状況は世界的にはかなり「遅れている」と言わざるを得ないのだそう。

「膣ケア」で若返りも!

膣はどのような場所なのでしょうか?

「膣はデリケートな場所です。
腸内の腸内フローラのように膣の内側を覆う粘膜にも、同様に多彩な常在菌が棲んでいます。膣が健康な状態にある時、その内側は善玉菌の働きで酸性に保たれています」。

出典(『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』)

しかし、さまざまな要因で膣内が酸性に保たれなくなると、有害な雑菌が膣内に侵入しやすくなり、膣トラブルを起こす危険性が高くなります。

「膣の健康が損なわれる原因には、不規則な生活やストレス、加齢に伴う女性ホルモンの減少など様々なことが挙げられます。
適切な『膣ケア』で膣を若々しく良い状態に保てると、不思議なことに外見も若々しく輝き始めます。膣のケアは、全身のアンチエイジングにもつながるのです」。

出典(『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』)


「膣ケア」の基本は快眠、快食。
ストレスのない規則的な生活で膣は整い、見た目も健康で若々しい状態に保つことができます。

ちなみに、デリケートエリアを脱毛するVIO脱毛については「脱毛したほうが衛生的だ」とされることもありますが、先生の見解は、

「陰毛の有無と発汗によるムレやかゆみとはあまり関係がなく、脱毛したからといって必ずしも不快症状が解消する訳ではありません」。

出典(『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』)

毛があることで、下着との摩擦など物理的な刺激から守られているという側面も。

VIO脱毛は医療効果を期待するものではなく、おしゃれな下着や水着を着こなすためのものと考えるほうが良いとのことです。