2. 除菌スプレーは使わない方がいい

最近、洗わずに殺菌したり汚れや臭いをおとすという除菌スプレー、アルコール製品を様々な所で見かけます。
「除菌をした方がいいということなのだろう」と、使っている方も多いと思いますが、中尾教授がおっしゃるように“様々な菌に触れさせた方がいい”のであれば、それらは使わない方がいいのでしょうか?

「そもそも、アルコール除菌スプレーや、手につけるだけの除菌製品の効果は100%ではありません。除菌製品で退治できるウイルスはかなり種類が限られています。」

え? 病院をはじめ様々な施設に置かれ、こんなに商品も出ているのに? どういう事でしょうか。

「例えばノロウイルスにかかった人の便を触った後などにアルコールで除菌をしても効果がありません。“除菌さえすれば安心”という考え方については間違っていると思います。」

なるほど、除菌製品に過度に頼ることは危険なのですね。
とはいえ、重症になるようなウイルスは防ぎたいし、どうすれば良いのでしょうか?

「除菌よりも手洗いの方がウイルス退治には効果が高いです。水を使って洗い流すことでほとんどの菌を退治できます。塗るだけの除菌では、生き残ってしまった菌が手に残ってしまいますから、水で洗い流すか、難しい場合は拭き取った方が効果的でしょう。」

先進国全体においてアレルギー患者が増えている現状からいっても、“除菌神話”に問題の一端があることは確実なようです。

以前話題になった「トイレの便座よりもスマートフォンの方が汚い」というニュースを見て感じたように、私たちには偏った清潔志向があるのかもしれません。
化学製品である除菌グッズに頼るよりは、こまめな手洗い、そして、免疫をあげ、体力をつける事を重視した方が良さそうです。
 

3. 抗生物質は飲まない方がいい

免疫機能を弱らせているもうひとつの原因が、抗生物質。
中尾教授によると、子どもの時に抗生物質を多用するとアレルギーになりやすいということも分かってきているのだとか。

「風邪を引いたとき、扁桃腺やのどのはれがある場合など、抗生物質が必要な場合もありますが、抗生物質が効かない風邪の方がほとんどです。」

風邪でつらい時など、病院で「抗生物質をください」と言えば出してくれることもありますが、基本的には医者が自ら出さない限り、飲む必要はないとのこと。欧米では抗生物質は出さないのだそうです。

子どもが風邪を引くと辛そうな様子に早く治してあげたいと思うのが親心。また共働き家庭だと、仕事を休まずに済むように、早めに病院に連れて行って治してしまおうと思いがちです。
しかし、「風邪程度ではあまり神経質にならないでほしい」と中尾教授は言います。風邪も免疫機能を鍛えるチャンスなのです。
 

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