算数の勉強の場合

文字は汚い・綺麗の違いがあっても、「どの文字が正解でどの文字が不正解」とはならない場合がありますが、計算問題の答えは一つです。“1+2=4”と書いたときはバツをつけるしかありません。

でも、10問中9問がバツで、たまたま1個まぐれで正解したとき、不正解の回答を真っ赤に添削されたら子どもはどう感じるでしょう?

おそらく、「今度は間違えないように計算しよう」とはなりません。

こんな時は、たとえ不正解でも次のようにしましょう。

・名前を忘れずに書いている

・数字が綺麗にかけている

・10問とも回答している(不正解でも、もれなく問題を解いていることを認める)

そして、「今度は答えも正解するように頑張って計算してみよう」と声かけします。

©あべゆみこ

家庭での子育てへの応用

家庭での子育てにも応用してみましょう。出来ていないところだけを取り上げて、添削好きの先生のようにダメ出しをするのではなく、少しでも出来ていることを必死に探して認めてやるのです。

片付けない子の場合

NG例
「なんで散らかすの!」「どうして片付けないの!」と、おもちゃを片付けないことばかりにスポットを当てて叱る。

OK例
たまたま片付いている状態をすかさず見つけて「わあ、片付いている、頑張って片付けたね」と声をかける。

OK例
10個のうち1個でもおもちゃを箱に入れたら「わあ、1個片付けられた!」とその行為を喜んでやる。

食事を残す子の場合

NG例
「好き嫌いしてはダメよ!」
「残さず全部食べなさい!」
「まだお皿に残っているじゃない!」

OK例
「お肉はよく食べていて偉いね。お野菜も食べてみよう」
(半分は食べていたら)「半分は頑張って食べたんだ。もう一息だね」

おもちゃの奪い合いで兄弟や友達と喧嘩ばかりしている子の場合

NG例
「どうしてお友達と仲良く出来ないの!」
「貸してあげなさい!お兄ちゃんでしょ!」

OK例
一緒に静かに遊んでいる瞬間を捉えて、「お友達と譲り合って仲良く遊べているね」と褒める。

最初から最後までずっと喧嘩しているわけではありません。出来ている瞬間を見逃さないようにしましょう。

グズグスしている子の場合

NG例
「グズグズしていたら幼稚園に遅刻しちゃうでしょ!」

OK例
さっと靴下を履いた瞬間を捉えて「わあ、あっという間に履けたね」と声をかける。

ダメ出し母さんにならない

人は、出来ていないところに目が行きがちです。

©今井久恵

自分自身に対しても高いハードルを課しすぎて「あのママは仕事も家事もこなしている。しかも生活感を出さないで小綺麗にしている。それに比べて私は何一つ満足に出来ていない…」と、他人のSNSの投稿写真に振り回され、自分を貶めてしまいます。

特に、お腹を痛めて産んだ子どもは自分の分身のように感じて、他人の子どもには寛容になれるのに、つい厳しい要求をしがちです。

でも、散らかしていても、食事の好き嫌いがあっても、他の子どもにはない良い面や、宝物を持っているはずです。それをなんとか探して声に出して褒めてあげましょう。

叱られて咎められて頑張るか?

人は叱られて頑張るようにはなりません。“褒める子育て”が盛んに言われているのもそのせいかもしれませんね。

「いい子ね、偉いね」と意味もなく褒めすぎるのは「それが当たり前になる」「褒めないとやらない子になる」「天狗になる」こともありますが、叱ってばかりいてもまたダメなのです。

テストを真っ赤にする添削先生のような“ダメ出し添削母さん”にならないように、気をつけたいものですね。