離婚するときだけじゃない! “婚前契約”のメリット

また、婚前契約には、離婚時に揉めないというメリットだけでなく、夫婦仲を取り持つという側面もあると言います。

「離婚した時の財産分与を明確にしておくことで、離婚が防げるというメリットもあります。例えば、浮気して離婚した場合には慰謝料はいくら……などと決めておけば、離婚したらこれだけ財産を持っていかれるから、浮気をしない、離婚をセーブするなど、婚前契約が、浮気や離婚の抑止力になると期待できます」

具体的な金額が目の前に提示されると、浮気する気が起きないかもしれませんね。

「それから、家事分担を明記しておくことも、夫婦円満の一助になるかと思います。二人で決めて書面にしたものを、自宅の引き出しに保管しておいても、効力があります」

二人で決めた約束ごとを書面にし、自宅で保管するだけでも有効…そう考えると「契約」という堅いイメージの婚前契約も、身近な存在のような気がしてきました。

「ただし、あまりにも現実とかけ離れた契約や、一方に対して過度に有利・不利な契約は、契約として成立しないので注意が必要です」

年収300万の夫に、1億の慰謝料を払えという内容の契約では意味がないということですね。

 

まずはパートナーと話し合いを

婚前契約のメリットについてご紹介してきましたが、パートナーに「婚前契約を結びたい」と言うのは、やはり心理的にハードルがあります。ただ、離婚時の泥沼を避けるのに、婚前契約は有効ということはわかりました。

「取り決めたことを書面にして、後々のトラブルを防ごうという意識が日本人には少ないですね。離婚時に泣き寝入りしてしまう人もいるので、こういう制度があるというのは知っておくといいと思います」

大学院卒業後、銀座のクラブホステスになるという異色の経歴の持ち主。「銀ホスライター」として、老舗クラブで磨いたコミュニケーション術&営業テクニックを、悩めるビジネスパーソンに向けて紹介。恋愛・結婚・出産など、女性にとって身近な問題を研究し「今よりちょっとだけ人生を豊かにする方法」を提案しています。