心の暗い欲望にもふれることでこそ、描くことができる作品

「物語を描く時に自分の内面から出てくる創作衝動でどんどん描いていくというタイプではなく、なにか構想する時に自分の外にある“軸”が必要になる」と浅野氏は語っています。

そもそも純粋に自身の創作衝動だけで何作も作り続けることは難しい話。漫画家が自分の外になにか発想の“軸”を用意することは自然なこと。ですが、いくらなんでも“ネットの書き込み”をその軸にするのは、少々過激ではないでしょうか。

もちろん凹むこともあったそうです。最初の頃は、辛辣な書き込みひとつひとつ真に受けて憤慨して傷つくこともありました。しかし、次第に「そんなことを言うのなら、あえてもっとこんな風にやってやるぞ」と対処できるようになり、ネットでの批判は、やがて浅野氏が漫画を書き続ける上で必須なこととなっていったのです。見事なメンタルの強さです。

そんな浅野氏の姿勢に、「そうした方法論だからこそつかむ現実(リアル)があるのだろう。ネットを通して人間の心の暗い欲望にもふれることでこそ、描くことができる作品もあるのだろうと思った。私は『おやすみプンプン』という作品を作っていた“材料”がどんなものだったか、少しはわかる気がした」と堀田氏は語ります。

ネットでの誹謗中傷に怯むことなく、強い気持ちで作品作りを続ける浅野氏。漫画家の作品作りの難しさが垣間見えますね。漫画作品と共に新しく始まったTVCMにも注目したいところですね。

 

【書籍情報】
『「メジャー」を生み出す』堀田純司著 KADOKAWA/角川書店

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