頼れる人にはどんどん頼っていい

――とはいえ、どうしてもひとりでがんばってしまって、人には頼れないという人も多いと思うんですよね。それでますます子育てがつらくなってしまっているようなママに、なにかアドバイス的なことってありますか?

明「がんばろうと思わなくても、がんばっちゃうものなんですよね、子育てって。だからやるべきことだけやってさえいれば、それ以上がんばらなくていいと思うんですよ。

私もそうでしたけど、どうしても人に頼るのが苦手とか、誰に何を言われるかわからないからこわいとか、頼っても断られたらどうしようとか、そういうことを考えてしまうんですよね」

――1人目を気にしてしまうママや、罪悪感を持ってしまうママは多いですよね。

撮影:稲澤朝博

明「勇気を出して頼んだのに、自分でやれって言われたりするかもしれない。だけど、地域の子育て支援センターとか、保育ママとか、明らかに子育て中のママを助ける目的でやっているところには、手を伸ばしていいんですよ。

手を伸ばせば伸ばすほど、子どもはひとりで育てているんじゃないってわかるし、自分も子育てを離れた時に、今度はそっち側の人になっていける。あの時助けてもらったから、今度は自分が助ける側になろうって思えれば、いい循環が生まれてきますよね。

たぶん日本は今、いろいろがんばってくれていると思うんですね。そういう子育て支援センターとか、子どもと一緒に行けるコミュニティの場所が開かれているから、利用するにこしたことはないですよ。私は最初、それができなくて苦しんでいたのですが、そこを一歩踏み出すだけで、気の持ち方が全然違いました」

――誰だって本当は、楽しく子育てをしたいと思っていると思いますし、自分が楽しく子育てができたら、次の世代にもそれを伝えていきたいと思えますよね。そのために必要なのは、ちょっとした勇気、ということなのですね。

まとめ

人に頼るとひとことで言っても、なかなか簡単でないこともあります。人によっては、一生人に頼らないでがんばってしまうことも、可能は可能かもしれません。

ですが、少し角度を変えて考えてみれば、子育ての時期は、人に頼ることを学べるチャンスの時期でもあるということです。また、上手に頼れるようになることで、身近な人との関係も、よりよくなる可能性が広がりますね。

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