ランチョーの学校に続く分かれ道は、学校とは別の方角にあった

『きっと、うまくいく』めぐり。目指すは絶景の湖パンゴンツォだが、レーの町の周辺にはほかにも映画に登場するロケ地がいくつかある。『きっと、うまくいく』以降ラダックを訪れる人は急増。国外からの観光客がほとんどだったものが、インド国内から家族や団体が押し寄せるようになったそうだ。

それは日本人であるわれわれとて同じこと。現地在住の日本人女性が経営されている旅行会社「ヒドゥン・ヒマラヤ」に連絡を取ったところ、以前に『きっと、うまくいく』のロケ地を回りたいという日本からのお客さんからのリクエストがあり、相当詳しい情報をご存知だった。

だったらお世話になってしまおうと「『きっと、うまくいく』関連の場所に片っ端から連れて行ってください!」とほとんど丸投げ。この旅はラクチンだぞとほくそ笑んでいたのも束の間、襲ってきました高山病! なんだかフラつく、頭が痛む、気分が悪い、一歩あるくのもしんどいなど、さまざまな症状が代わる代わる押し寄せて、高地に慣れるまではと余裕を持って組んだはずのスケジュールもアッという間にひっくり返った!

とりあえず近場からにしよう、そうしよう。というわけで、行ってみたのは10年後のランチョーが貧しい子供たちのために開いた小学校……ではなく、その小学校を指し示す標識が出ていた場所。ランチョーの学校のロケ地もレー近郊にあるのだが、標識は方角的には完全に反対の西方面。ラダック地方最古のゴンパ(僧院)があるアルチへと向かう道の途中にありました!

 

レーからアルチ方面に西へ。チャーターした車の中にもチベット仏教の仏塔が。

 

この分岐点から奥に伸びているのが、劇中ではランチョーの学校へと続いていた道路。実際にはTARU村へと続いており、TARUと書かれた看板がある。色とりどりの旗はチベット仏教にまつわるラダック名物で、ひとつひとつに干支の絵が描かていた。劇中では看板や旗は一切なかったが、確かにこの場所で間違いない。

 

いまは塗りつぶされているが、映画ではこの白い石に「SKITSAL SCHOOL」と書かれていた。「SKITSAL SCHOOL」は劇中でのランチョーの学校の名前。

 

さらにアルチ方面に進むと『命ある限り』でボリウッドの大スター、シャー・ルク・カーンがバイクで疾走していた道に出る。

 

現地のバイカー。見下ろしているのはインダス河とザンスカール川の合流地点。

 

ランチョーの小学校に行ってみた

『きっと、うまくいく』めぐり三回目。前回は主人公ランチョーが作った学校の案内板を観に行ったが、今回は観光の本拠地となるレーを挟んだ反対側。南東に約15キロのシェイの町を訪れた。ここには学校への案内板ではなく、ランチョーの学校として使われた本物の小学校があるのだ。

ここも『きっと、うまくいく』の大ヒットで訪れるひとがひっきりなしなようで、大きな駐車場とビジターセンターができていた。さらにその奥には「ランチョーズ・コーヒー・ショップ」なる喫茶スペースまで。いくらなんでもココは現地の子供たちがガチで勉強する学び舎である。確かにコッチは観光目的だが、こんなにウエルカムでいいものかとたじろいでしまう。

ヒドゥン・ヒマラヤのガイド兼ドライバー、パッサンくんに着いてくと、普通に子供たちがウヨウヨいるよ、当たり前だけどな! そんなわけでなるべく出しゃばらないようにおずおずと、見学させていただいて来ました。

 

大きな駐車場とビジターセンター。「DRUK WHITE LOTUS SCHOOL」というのが学校の正式名称。学校自体はまだ建築中で、ビジターセンターでは寄付を募っている。映画の主演スター、アミール・カーンの写真も掲示されているので、中に入るついでに気持ちだけでも寄付してみては?

 

ビジターセンター奥には「ランチョーズ・コーヒー・ショップ」。かなり観光客ウェルカムな雰囲気。

 

通称ランチョー・スクールの中。同じ制服を着た子供たちが大勢遊んでいる。

 

興味津々なようで、カメラを向けると顔を逸らすシャイな子供たち多し。

 

劇中、嫌われ者の同窓生サイレンサーが立小便をして、子供たちに感電させられた場所。

 

サイレンサーが立小便した場所に、旅に同行していた父親に立ってもらった。横の扉に「MUSIC ROOM」と書いてあるのに触発されて突然エアギターを始めた70歳。高山病のなせる技だろうか。