もうじき梅雨が明けると肝試しやホラーの季節がやってくる。そこで今回は夏到来を前に、私たちの身近なパートナー・猫にまつわる“オカルトな俗説”を調べてみた。

長生きした猫は化ける

しばしば語られているのが「10年生きた猫は化け猫に、20年生きた猫は猫又になって人間を化かす」といった俗説。化けるまでの年数は説によって異なるようだ。なぜかどちらも“人間に飼われている猫”限定らしく、野良猫が化けるという話は聞かない。猫が醸し出すミステリアスな雰囲気や独特の生態を見て、昔の人がおそれを抱いた結果生まれた俗説なのかもしれない。

こうした説は江戸時代以降に広く伝わったと言われ、日本各地に化け猫の目撃談、化け猫をモチーフにした物語・美術品などが残されている。

なおペットの飼育環境が発達した現在、飼い猫の平均寿命は14.82歳まで延びている(一般社団法人ペットフード協会の統計/2014年)。このままだと大半が化け猫になってしまうためか、「10歳で化ける」説はほぼ聞かれなくなった。その代わり、もっぱら最近はネコミミ美少女のように“萌えキャラ”に化けることが多い。また、猫の地縛霊がゲームキャラとして子供たちから絶大な人気を集めるなど、なかなかカオスな時代である。