iPad 2との違いは? より美しく、滑らかに、創造的に進化した新しい「iPad」の魅力

2012.4.2 20:21配信

2010年5月発売のiPadのWi-Fi + 3Gモデル、2011年4月発売のiPad 2のWi-Fi + 3Gモデルとも、筆者は発売直後に購入した。以来約2年間、毎日持ち歩いて、Twitter、メール、ブラウザ、RSSリーダーなどを中心に、いつでもどこでも使えるネット端末として愛用している。正直にいうと、1台目の初代iPadは衝動買い。2台目のiPad 2は、軽さと薄さに惹かれた。

今年3月16日、アップルは、高精細な2048×1536ピクセルの「Retinaディスプレイ」を搭載した新「iPad」を発売した。いまいえるのは、これまでiPadの購入を見送っていた人は、結果的に正解だったということ。新しい第3世代「iPad」こそ、これからのスタンダードになるだろう。逆に現iPadユーザーは、新「iPad」を買うか買うまいか、悩んでいるはず。今回、iPad 2 Wi-Fi + 3Gモデルの後継機にあたる「iPad Wi-Fi + 4Gモデル」を試用する機会を得たので、この1年弱、使ってきたiPad 2との比較を中心に、新「iPad」の魅力をレポートする。

●取扱い店舗が増えて買いやすくなった新「iPad」

新iPadは、通信機能(SIMカードスロット)・GPSの有無と容量の違いによって6機種ある。カラーはそれぞれブラックとホワイトの2色。通信機能つきモデル(iPad Wi-Fi + 4Gモデル)は、国内ではソフトバンクモバイルが販売しており、購入時に新規または機種変更で回線を契約する必要がある。iPhone 4S同様、新たにKDDIも取り扱うという報道があったが、現時点ではソフトバンクモバイルだけの単独販売だ。以前に比べ、取扱い店舗は大幅に増えており、3月16日の発売直後から、タイプ・容量・カラーにこだわらなければ、予約なしで購入できる店舗が多いようだ。

量販店の実売データを集計した「BCNランキング」で、iPadシリーズのタイプごとの販売台数を集計すると、通信機能つきモデルよりWi-Fiモデルのほうが多く売れている。新iPadも、その傾向は変わっていない。3月31日までの累計で容量別に集計すると、16GB(37.7%)、64GB(34.4%)、32GB(27.9%)の順に販売台数は多く、Wi-Fiモデルに限ると、16GB(40.0%)、64GB(32.8%)、32GB(27.2%)の順だった。対して、iPad Wi-Fi + 4Gモデルに限ると、シェア40.2%で大容量の64GBがトップとなり、以下、32GB(30.3%)、16GB(29.5%)と続く。また、カラー別シェアは、ホワイトが54.2%、ブラックが45.9%だった。

●大画面のiPadは移動中や外出先で使ってこそ生きる

スマートフォンとタブレット端末は、まとめて「スマートデバイス」と呼ばれることもあるように、共通点は多い。特に同じiOSを搭載したiPad、iPhone、iPod touchは、画面サイズと「Siri」など一部の端末固有の機能を除くと、利用できるアプリや機能はほぼ同じだ。9.7インチの大きなディスプレイを搭載したiPadは、iPhone/iPod touchよりも、もともと文字や写真が見やすかったが、高精細の「Retinaディスプレイ」を搭載した新iPadの登場で、その差はさらに大きくなった。画面サイズが3.5~5インチ程度のスマートフォンでは小さくて操作しにくいと感じる人や、外出先でノートPC代わりに使いたい人には、iPadの通信機能つきモデルをオススメしたい。

●最大の違いはディスプレイ、写真は鮮やかに、文字は見やすくシャープに

新iPadの最大のウリは、手に持って通常の距離から見ると個別のピクセルを判別できないほど精細な2048×1536ピクセルの「Retinaディスプレイ」。ピクセル密度は従来の4倍で、彩度も向上した。iPad 2では、「明るさ」を最大にしないと画面が見づらかった朝の電車の窓際でも、設定を変えずにそのまま見られるなど、美しさだけではなく、利便性も高まっている。それでも公称バッテリ駆動時間はWi-Fi接続時で最長10時間と変わらず、実際に使ってみても同じだった。

iOS標準ブラウザ「Safari」や「メール」アプリ、Retinaにいち早く対応したiPad用Twitter公式アプリの表示を比較すると、新iPadは、iPad 2に比べ、文字や写真がくっきりと見やすくなった。Mac OS Xの流れを汲み、もともと見やすかった文字がさらにきれいになり、どのアプリでも黒が引き締まってよりシャープになった。また、クアッドコアグラフィックスを備えたA5Xチップを搭載し、グラフィック性能が向上した影響か、iPad用Twitter公式アプリは、スクロールする際の独特の心地よいぬるぬる感が増した。他のアプリも拡大・縮小表示がよりスムーズになり、体感上は3G、Wi-Fi接続時とも、表示スピードが若干改善したと感じた。

●ソフトウェアキーボードでの文字入力もスムーズに、音声入力にも対応

使ってみて真っ先に気づいたiPad 2と新iPadの違いは、ソフトウェアキーボードでの文字入力の反応がよくなったこと。物理キーボードのようにスピーディに入力できないというストレスはだいぶ軽くなった。

iPadは、iOS 5.0から、分割キーボードとフリック入力機能を実装し、両手を使ったフリック入力を利用できるようになった。さらに新iPadは、音声によるテキスト入力機能を新たに搭載した。最初の数回は誤変換ばかりで、実用性に乏しいと感じたが、何度か試すうちに、ソフトウェアキーボード上のマイクのアイコンに向かってやや早口で話すと、正確に変換されると気づき、評価を改めた。コツさえつかめば、早口言葉や固有名詞、やや長めの文章などもほぼ正確に変換し、その精度の高さには驚く。iPhone 4Sに搭載された音声アシスタント機能「Siri」ほどのインパクトはないが、新「iPad」に追加された音声入力機能は、これまでiPadの弱点といわれてきた文字入力のしづらさ、日本語の変換精度の悪さを解決してくれるかもしれない。

また、新iPadは、背面のカメラ(iSightカメラ)の画素数が500万画素に向上し、これまでのオマケ的な存在からメイン機能に昇格した。1080pのHD動画も撮影でき、ポテンシャルは高い。その進化した性能をチェックしようと、何枚か写真を撮影してみたが、オートフォーカス、顔検出など、せっかくの新機能をうまく使いこなせず、いまひとつの出来の写真しか撮れなかった。新iPadを購入した暁には、使用頻度を増やし、写真を楽しく加工できるカメラ系アプリを含め、使い倒してみたい。

●iPad/iPad 2のWi-Fi + 3Gモデルのユーザーなら機種変更も

ソフトバンクモバイルのiPad/iPad 2のWi-Fi + 3Gモデルのユーザーは、現在のプランを引き継いだまま、新iPadのWi-Fi + 4Gモデルに機種変更できる。機種変更手数料は不要。ただし、端末代を分割で支払っている場合は、残りを引き続き支払う必要がある。携帯電話・スマートフォン、iPad Wi-Fiモデルからは機種変更できず、新規契約となる。

ソフトバンクモバイルでは、iPad Wi-Fi + 4Gモデルを実質負担額0円から購入できる「iPad for everybodyキャンペーン」と、1回線目としてiPhoneを含むソフトバンク携帯電話を契約し、キャンペーン対象パケット定額サービスに加入している場合、2回線目のiPadを基本使用料0円から利用できる「【新】iPad ゼロから定額キャンペーン」を5月31日まで実施している。

ディスプレイ、カメラを中心に大きく進化しながら、iPad 2に比べ、新iPadの価格は、Wi-Fiモデルで2000円、Wi-Fi + 4Gモデルで2880~3120円下がっている。同時に、iPad 2のWi-Fiモデルの16GBの価格も、従来の4万4800円から3万4800円に1万円も下がった。価格重視なら、値下がったiPad 2を購入するという選択肢もある。

●新iPadはクリエイティブツール、ネットだけならiPad 2でも問題なし

新iPadは、iPad 2に比べて0.6mm厚くなり、約50g重くなった。確かに、両手に持ったときは、重くなった気がした。しかし、カバンに入れて持ち運ぶと、iPad 2とまったく違いを感じなかった。重さ・薄さ以外のマイナスポイントは、少し使うだけで本体がほんのり温かくなる点と、あまりにも鮮やか過ぎて、仕事帰りなど、目が疲れているときにはまぶしすぎると感じてしまう点だろう。

テキストメインの情報収集を目的とした「ネット端末」として使う限りは、はっきりいってiPad 2でも問題はない。ただ、新iPadは、これまでPCやMacが得意としてきた「クリエイティブ」や「情報発信」のためのツールとして進化した。大画面の「Retinaディスプレイ」の真価は、iPadを写真、映像、音楽などの鑑賞・制作に使ってこそ発揮される。いつもと同じように、ネット系アプリを中心に使ってみて、その思いはますます強くなった。「iPhoto」「GarageBand」などの純正アプリ以外にも、今後、美しいディスプレイのポテンシャルを活用したアプリ・サービスは増えていくはず。ハードとアプリの組み合わせによるクリエイティブツールとしての可能性――それが新iPadの魅力だろう。(BCN・嵯峨野 芙美)

【新iPadとiPad 2のフォト比較】

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

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