【音楽】ドラマ王道的歌モノ?RIP SLYME/PESのソロ早く聴きてー

2012.4.9 6:00

RIP SLYMEのPESがソロ活動を発表。1stシングル『女神のKISS』は5月30日に発売され、火曜夜9時ドラマ『リーガル・ハイ』の主題歌となる。YouTubeの46秒の予告編映像から、ゴールデンタイムのドラマ主題歌として相応しい王道感をまとった歌モノと推測されるが……。

RIP SLYMEのメンバーであるPESが、ソロ活動を行うことを突如発表した。
自分がこのニュースを聞いてまず思ったことは、「それってどんな音楽なのか?」という一点のみだった。

人気グループのメンバーがソロ活動を始めるとき、例えば「グループとしての活動が煮詰まった」とか「グループ内で不仲があった」とか色々な憶測が飛び交う。でもRSフリークであれば、このタイミングでソロ活動を始めることに多少の驚きはあっても、大きな疑問を感じる人はいないのではないだろうか。

PESはこれまでにも、MCとして多くの客演をこなすなど、単独での活動を行ってきた。リップ内でもトラックメイカーとして多くの楽曲を手掛けてきていたし、ファッションデザイナーとしての一面を持つなど、多方面にクリエイティビティを発揮していた。だからソロとして自身の表現を発信することも、特に違和感を覚えることはない。それはPESに限ったことではなく、リップのメンバーはそれぞれ個人の活動を行っているし(DJ FUMIYAはソロ名義のMIX-CD『DJ FUMIYA IN THE MIX』も発表している)、そもそも『楽園ベイベー』で大ヒットを記録した後、さらなる飛躍に向けて大事なタイミングでリリースするアルバムでメンバーのソロ曲×4をぶっこんでしまうようなグループなのだ(そしてそれをしっかり売ってしまうのがすごい。'02年作『TOKYO CLASSIC』名盤です。PESは『STAND PLAY』というソロ曲を披露してます。あと'03年作『TIME TO GO』内の『SHALL WE?』もPESソロ曲)。

RIP SLYME『TOKYO CLASSIC
RIP SLYME『TIME TO GO
 
RIP SLYME『STAR

そしてなにより昨年、メジャーデビュー10周年のタイミングでリリースされたオリジナルアルバム『STAR』が、とてつもなく素晴らしいアルバムだったこと。シングル曲は一切無し、ゲストも入れず5人だけで製作した『STAR』は、これまでのリップの歴史の中で、もっとも自然体で、もっとも自由で、もっともオトナで、もっともポップなアルバムだった。いや、そもそも彼らは自然体だし自由だしオトナだしポップなんだけど、本気で自然体で自由でオトナでポップに振り切れたRIP SLYMEがどれだけ手に負えない存在であるかを見せ付ける、5人の表現者としての凄みを改めて感じさせてくれる傑作だった。『STAR』はこれまでの集大成であると同時に新たなスタート地点でもあり、ここからまた未知の方向へ飛び立っていくんだろう、新たな旅が始まっていくんだろう、と思っていたので、その向かう先がソロ活動だったことも、比較的すんなり受け止められたのだ。

さて驚いたのは、肝心の音である。現在(原稿執筆時は4/9)我々に与えられた手がかりは、記念すべき1stシングルは『女神のKISS』というタイトルで5月30日(水)に発売されること、タイトル曲が堺雅人・新垣結衣らが出演するフジテレビ系火曜夜9時ドラマ『リーガル・ハイ』の主題歌に起用されていること(初回オンエアは4月17日(火)です)、@pepes_jpというアカウントでツイッターを開始したこと、そしてYouTubeにアップされた46秒の予告編映像だ。

ここでは(おそらく)イントロからAメロの途中までと思われる一節を聴くことができるが、真正面から“ゴールデンタイムのドラマ主題歌として相応しい王道感”にあふれていたことに驚いた。ここを聴いただけでも、連続ドラマのオープニングでこの曲が流れている絵がはっきりとイメージできるのだ。それは単に、この楽曲で彼がラップではなく歌っているから、という理由だけではないと思う。PESはこれまでも『ONE』や『黄昏サラウンド』といったリップのメロディアスな側面を代表する楽曲を手掛けてきたが、それらも、チャートのど真ん中を打ち抜くスタンダードとしてではなく、“RIP SLYMEが作り出す新たなスタンダード”として、新鮮さをもって受け止められていたと思う。そこから解き放たれたPESが、ここまでど真ん中の歌モノを投げかけてきたのは意外だったし、嬉しい誤算だった。とは言えまだほんのさわりを聴いただけなので、どんな全貌が待っているのかはわからないが。

PESはRIP SLUMEのメンバーの中でも、デビュー時と現在で最も変化した人だと思う。例えばライブでも、キャリア初期はグループの先進性を体現する自由奔放でキレキレのパフォーマンスを繰り広げるイメージだったが、近年はある意味一歩引いた客観的な地点に立って、オーディエンスに音楽を届けている印象がある。そんな彼がソロとしてどんな世界観を構築するのか。まずは第1作目の『女神のKISS』を早くフルで聴きたいし、願わくばその先にさらなる大きな収穫=アルバムの発表も楽しみに待ちたいと思う。

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