二人目の子ができて、まだ動けないお人形状態の赤ちゃんの頃には、上の子も下の子が「かわいい!」と喜こんでくれることでしょう。

ところが、下の子が成長するに伴い手がかかることが多くなります。

それまでお人形のように動かなかった弟や妹が、動き回り、可愛がられ、母親を独り占めする。そこで始まるのが、上の子の赤ちゃん返りですね。
中には、ママを取られたような気になって、弟や妹に暴力をふるう子もいます。

今日は、『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』の著書で、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴が、上の子の暴力とその対処法についてお伝えします。

なぜ弟や妹に暴力をふるうのでしょうか?

それまで、親や周りの人達からの愛情を、一身に受けていた上の子の環境は、下の子の誕生によって一変します。恐ろしく強力なライバルが現れてしまったのです。

下の子はいつまでもベッドでジッとしてくれているわけではありませんね。 だんだん成長し動き出すと、目が離せませんから、母親は下の子に構いっきりになります。
上の子にも同じようにと思っていても、身体は一つですから物理的に無理ですよね。

そんな状態が、しばらく続くわけですから、上の子から見れば、どうしてもママは下の子ばかり可愛がる、弟や妹にママを取られたと思ってしまいます。

おまけに今まで自分を「かわいい!」と言ってくれていた周りの人達の関心も、すべて弟や妹にいきますから、上の子にしたら、まったく面白くありません。
嫉妬や妬みという感情が芽生えてくるのも自然なことです。

まだ自分でも理解できないそんな感情は、誰にもぶつけられず、当然のように、自分より弱い下の子に向かっていきます。

それが、暴力となって現れてしまうのです。