PCの新カテゴリとしてここ数年、注目を集めているスティックPC。テレビや液晶ディスプレイに接続するだけで、簡単にコンピューティング環境を構築できる超小型のデバイスだ。しかし、そのユニークな提案は一部のガジェット好きを除いて、まだ一般的に認知されているとは言い難い。「使用目的が分からない」「そもそもどんな製品なのか知らない」という意見が大半だ。

そんなスティックPCの魅力を広く浸透させることを目的に、東急ハンズとインテルが手を組み、東急ハンズ池袋店で実演販売イベントを行っている。期間は4月11日~4月17日まで。

東急ハンズでは「ヒントマーケット」という標語を掲げ、ユーザーに暮らしを快適にするヒントを見つけてもらおうと“コト軸”提案の売り場づくりを行っている。デジタル家電の取り扱いはこれまで限定的だったが、スティックPCはIoT(モノのインターネット)の観点で新しいライフスタイルの提案ができると踏み、今回の企画に至った。

テーマは「TVときどきPC」。家電量販店を頻繁に訪問するような客層ではなく、どちらかというとデジタル家電に関心が高くないユーザーに「こういう便利な使い方があるのか」と気づきを与えるのが目的だ。単純に「インターネット経由で映像コンテンツを視聴できる」「資料やレポートの作成ができる」という切り口ではなく、より生活シーンを想起させるメッセージを伝える。

例えば、近年よく話題になる「リビング学習」。現在就学中の子どもはPCを学習で利用するのは当たり前だが、専用のPCを用意するのは経済的負担が大きいし、インターネットリテラシーの問題から不安を覚える親も多い。そんなとき、安価で購入でき、家族の目が届く場所でPC作業ができればどうだろうか。スティックPCは、デジタルが身近になったからこそ生じている悩みを解決する一つの回答になりうる。

まだ製品化はしていないが、ジェスチャー読み取りカメラ「ZKOO」とテレビ、そしてスティックPCを連携してシンプルなゲームを楽しむこともできる。デジタルが実現する「半歩先の便利」は、多くのユーザーの関心を引いたようだ。自宅のテレビ周辺にちょっとアイテムを足すだけという手軽さもあり、販売員に詳しい説明を求めるユーザーも多く見受けられた。

メインイベントである実演販売は、著名な実演販売士のナックル井上氏が務める。「これいくらでしょう?」と井上氏が問いかけると、集まったオーディエンスからは「3万円」「5万円」という声が。「実は2万円以下です」と井上氏が回答すると、素直な驚嘆の声が漏れていた。実演イベントでは豪華景品がもらえるビンゴ大会も開催中。1等には東急ハンズギフト券1000円分、2等には500円分が贈呈される。期間中は1日8回の実演販売とビンゴ大会を予定する。

イベント期間中に、インテルのスティックPC「Boxed Intel Compute Stick STK1AW32SCR」を購入した人には、ワイヤレスキーボードとワイヤレスマウスのセット「Wireless Desktop 850」が無料で付いてくるお得な特典を用意している。スティックPCが生み出すちょっと先の未来の体験を味わいたい人は、要注目だ。(BCN・大蔵 大輔)