繊細で美しく鮮やかに彩られたブータンの織物文化

男性用衣装(ゴ) 20 世紀後期 絹 所蔵:ブータン王立織物博物館

ブータンはおそらく世界で最も小さい国のひとつですが、文化的多様性と豊かさには特筆すべきものがあります。

古代から受け継がれてきた伝統は、現在でもブータンの人々の生活にしっかりと残されており、政府も伝統文化の保護と継承・保存に力を尽くしています。

「ブータン~しあわせに生きるためのヒント~」では、織物をはじめ、生活用具から刀、器、金銀トルコ石を使用したアクセサリーなど、ブータンの生活に根付いた様々な伝統的な作品を多面的に紹介していきます。

 

生きた祈りの対象として語りかけてくれる仏教美術

ドルジェ・チャン父母仏 タンカ 18 世紀後期 綿本彩色、鉱物顔料 所蔵:ブータン王国国立博物館

7世紀にチベットからもたらされた仏教は、ブータン全土に定着しました。

本展覧会では、ブータンの文化、思想、社会を映し出す宗教美術を展示。

さらに、信仰の篤いブータン人の祈りの対象となっている仏像とタンカ(仏画)が並べて展示されており、仏像と仏画を比較しながら鑑賞することができます。

人々の祈りとともにある品々は、美しい宗教美術作品であるだけでなく、仏の教えや信仰心といった目に見えない精神的価値を形にした「生きた祈りの対象」として見る者に語りかけてくれるでしょう。

 

日本・ブータン外交関係樹立30周年記念事業
「ブータン~しあわせに生きるためのヒント~」

開催期間:2016年5月21日(土)~7月18日(日・祝)会期中無休
開催場所:上野の森美術館
開館時間:午前10時~午後5時(最終入場は閉館30分前まで)
チケット料金
当日券
一般:1,400円
大学生・高校生:1,000円
小中学生600円