フォトギャラリー「夏の魔物」10周年記念!フェス主催者座談会 フォトギャラリー

今年10周年を迎える「AOMORI ROCK FESTIVAL ~夏の魔物~」の開催を記念して、主催者・成田大致(With 大内雷電)がリスペクトしてやまない人たちに会いに行く「夏の魔物10周年記念対談シリーズ」。

今回は「YATSUI FESTIVAL!」を主催するお笑いコンビ・エレキコミックのやついいちろう、「鬱フェス」を主催するアーバンギャルドのリーダー / ボーカリスト・松永天馬をお招きして、それぞれフェス主催者の視点からみた「音楽フェス」「夏の魔物」について語ってもらった。

「成田大致=ちょっと力が不足したジョン・レノン説」も飛び出した「夏の魔物10周年記念 フェス主催者座談会」をどうぞ。

「圧の強い人なのかなって思っていたんですけど…」

成田:今日はよろしくお願いします!めちゃくちゃ緊張してます。

やつい:嘘つけ(笑)!成田君、緊張なんてするの?

成田:いつもしてますよ!

天馬:成田君は結構ガツガツくる圧の強い人なのかなって思っていたんですけど、実際に会うと朴訥で喋ってくれない方で「あれ!?」みたいな(笑)。

だって、10代のときからフェスを主催されているとなると結構ガツガツくるモチベーションが高い人だと思うじゃないですか。

やつい:結構ガツガツしている噂は聞くんですけど。

―それは、フェスの「夏の魔物」がガツガツしているという噂ですか?

やつい:いや、生き方が。

天馬:色々と、(私生活などの)内情をバラしているじゃないですか?

やつい:生き方が前のめりですよね。でもインタビューとかを読むと、このテンポ感はカットされるじゃないですか?そうすると自分の好きなテンポで読むので、成田君のテンションがすげえ高いんですよ。

天馬:確かに(笑)。

やつい:でも実際は今みたいにすごくゆっくり話しているから、「……」をやたらと多用した原稿になると思うんですけど、そこはカットされるから。

そうするとインタビューでは割と饒舌でテンションの高い人なんだよね、成田君は。

天馬:そうですよね、今日もさっきからほとんど「はい」しか言ってないですもんね(笑)。

成田:確かにそうですね(笑)。

天馬:でもフェスを主催して行くにあたってある程度ガツガツしなきゃいけないところはあると思うんですけど、成田君はご自分のユニットでは最初の数年はずっと後ろの方にいたじゃないですか?

最近はだんだん、自分が主役になっても良いんだみたいな気持ちになってきたのかなって。

成田:それはですね、遡ると俺は上京したのが5年くらい前なんですよ。

やついさんが渋谷で「YATSUI FESTIVAL!」の1回目をやった年です。

あのときの光景をすごい覚えているんですけど、「……東京だ」って。

天馬:それは何を見てそう思ったの?

成田:いっぱい人がいるし、Shibuya O系列のライヴハウスに色んなバンドとかでんぱ組.incとかが出ていて、自分がライヴに通っていたバンドやアイドルが一気にいっぱいいて。

東京の街の中でああいう風にみんなが参加しているというか、自分が漫画とかで良く見ていた光景が、目の前にあって。O-EASTとかduoの前があるじゃないですか?

O-nestとの間のあそこの空間で、「うわあ、東京だあ~」って。

やつい・天馬:わははははは!!

成田: 2012年って、自分がショックを受けることが多かったんですよ。

天馬:離婚したりとか?

成田:いや、それはもっと後なんですけど(苦笑)。当時バンドもやってたんですけど、全然上手くいかなくて。それこそアーバンギャルドさんと対バンしたりさせて頂いたこともありましたけど。

天馬:ああ~対バンしましたね。呼んで頂きました。

成田:2012年って、アーバンギャルドさんはBiSとかでんぱ組.incとかとやってましたよね。

天馬:5番勝負というのをやってましたね(「アーバンギャルドのアイドル五番勝負!!!!!」)。

2012年にライヴハウスでやる演目がクロスオーバー化したというか、アイドルが普通にライヴハウスでやるようになりましたよね。

もちろん、アイドル専門のライヴハウスはありましたけど、普通にバンドが出るライヴハウスでアイドルがやることが普通になってきた。

それと共にラップだとか他のジャンルとも普通に対バンするようになって行ったんですよね。

その上で、ロックフェスみたいなものは、結果的にアイドルがある程度頭角を表してきてからそれに目をつけはじめたと僕は認識しているんです。

言ってしまえば「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」とかは、地下アイドルから始めた人たちがある程度武道館とかでやるようになってから目をつけはじめたんだけども、それに対してやついさんのフェスや成田君の「夏の魔物」とかっていうのは、いち早くそういうクロスオーバーなフェスをやっていた印象があって。

僕はどちらかというとそれに追随して「鬱フェス」を始めたというか。

そもそも、自分たちのジャンルというのがとにかくロックフェスに呼ばれないんですよ。だったら自分でやっちゃえっていう、不純な動機ですね。

やつい:そうなんですか?

天馬:そうなんですよ。

たぶんジャンルが不明確というか、どう組み合わせたら良いのかわからないんだと思うんですよ。

バンドですけど、所謂ロックバンド的なことをやっているわけではないし、アイドルともよく対バンすることも多いので。たまに、タワレコとかでアイドル棚に並んでますけどね(笑)。

完全にバンドなんですけど、「病めるアイドル」というシングルを出したときにたぶん勘違いされて、そのまま勘違いされっぱなしなんですよ。

でもそういうジャンルが不明確な土壌が、この3つのフェスにはあるのかなって気がしました。

一同:おお~。

やつい:さすが!

成田:さすが、的確ですね。

天馬:括り方として、サブカルとして括っちゃって良いものかどうかわからないんですけど、でもそういう“わかる人たちにはわかる人たち”を集めていますよね。

でもそれは音楽ジャンルではなくて、志向するものが違うというの感じなのかなって思うんですけど。

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