元証券マンが解説『闇金ウシジマくん』で知る生活保護の裏表

2012.6.7 6:00

ここ数ヶ月、ニュースとなっている生活保護の受給問題。元証券マンの著者が『闇金ウシジマくん』(真鍋昌平)を通して、生活保護の裏表をズバリ解説します。

ここ数ヶ月、生活保護の受給問題がニュースとなっています。生活保護の制度や運用に、いろいろな問題があることは以前から知られていましたが、諸問題が絡んで大きく取り上げられることは少なかったように思います。そこに有名タレントが関わったことと、その火種を放置したことで、一気に燃え広がった感があります。

そこでお勧めしたいのが、小学館「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の『闇金ウシジマくん』(真鍋昌平)です。

“トゴ”と呼ばれる10日で5割の利息を取る闇金“カウカウファイナンス”を経営する丑嶋馨(うしじま かおる)が主人公で、訪れる様々な借り手を中心に物語が進んでいきます。例えば、見栄の張り合いから借金のかさんだOLが登場する「若い女くん」編、家族揃って借金に巻き込まれる「フリーターくん」編、ホスト出身で丑嶋の部下である高田が深く関わる「ホストくん」編などがあります。

その最新シリーズが「生活保護くん」編です。漫画では定職に就けない男性、佐古彰(さこ あきら)が登場します。
佐古はお腹を下しやすい体質もあって職探しもままならず生活費に困窮、最後の手段として役所に生活保護を申請しようとします。ここですんなり申請はできません。窓口の係員がなんのかんのと言って、申請をさせようとしないからです。本来の制度としては、どんな状況であれ申請を受けて、その後に審査することになっています。それを妨げることはあってはならないのですが、作業が増えることを嫌って門前払いをすることがあったようです。最近でも原発被害の申請や、年金記録の訂正申し立てが同様のニュースになりました。

それでは佐古はどうしたかと言えば、ふと見つけたNPO団体に頼って申請を行い、あっさり受け付けられます。同じ制度であっても、運営をするのが“人”であることをまざまざと見せ付けられる場面です。窓口の係員は、佐古とNPOの2人を見てイヤーな顔をしているのですが、面倒ごとに発展するのを嫌い受理します。現実でも「弁護士を連れて行ったら申請できた」などと聞きます。強いものには弱く、弱いものには強いのは無理からぬことでしょうけど、役所の体質を露わにする面白い場面です。

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