出産をきっかけに過去の記憶が溢れ出す

――そんなことを考えつつ過ごしていたら、旦那様からの「そろそろ子どもが欲しいな」発言があったと……。

ヤマダ:そうそう、「ついに来たかぁ~! やっぱりそうだよね~」って感じでしたよ。子どもはいないならいなくてもいいやって思って過ごしていたので。

母親のような子育てをしてしまうのではないかという不安もそうですし、自分自身に母性がないということにも気がついていましたし。

――そんな中、子どもを出産されて、自分自身の母性に対してや、母親への感情って何か変化があったのでしょうか?

ヤマダ:母性というところでいうと、やはり妊娠中や産んですぐの段階でとくに変化は……。お腹の中に話しかけるとかも全然できなかったですね(笑)

34歳で産んだのですが、今まで母親ではなかった自分の34年間を否定したくなかったので、母性というものに翻弄されたくなかったというのもあります。

ただ母親に対する感情というところでいうと変化はありました。

なんというか……。自分が子どもを産んだことによって、母親が昔私に投げかけた言葉だったり、行動だったりにより疑問を強く持つようになりました。

――そうなんですか!? 子どもを産むことで親と和解したとかいう話はたびたび聞きますが……意外です!

ヤマダ:子どもを産んだことによって、自分だったら子どもに対してこうするなぁとか、思うことが多くなるわけじゃないですか。

そうなると、「じゃあなぜ母親は自分に対してそうしてくれなかったんだろう?」って思いが生まれてきて。そりゃ日々仕事に育児に大変だったのはわかるんですが……。でも、子どもには関係ないことですよね。

それは『母になるのがおそろしい』を描いている時もそうでした。

やっぱり、自分自身が子どもと接したり、幼少期のことを描いたりすることで嫌でも色々思い出すので、今まで自分の中に閉じ込めて、ごまかしていた感情が溢れ出してきちゃったんですよね。

その時期は、だいぶ夫に迷惑かけちゃいましたね(笑)めちゃくちゃ八つ当たりしていたんで。

母親のようになりたくない! じゃあどうすればいい?

――出産後の母親に対する感情の変化は、ヤマダ先生の子育てに対してどんな影響がありましたか?

ヤマダ:母親のことを色々と思い出すことによって、自分の子どもを育てる反面教師にできたというところはあります。

小さなとき、自分の意見を聞いてもらえなかったりしたことで自分を否定された気がして、それが自己肯定感の低さにつながっていると思うので、自分の子どもにはそういう思いをして欲しくない、それなら母親と逆のことをすればいいんだ!って。

子どもに寄り添うことを大事にしています。

頭ごなしに「もうテレビ見るのをやめなさい!」じゃなくて、「あと10分見たら終わりにしよう!」など、小さなことでもその時の子どもの意思を汲み取る話し方をするとか。

ほかには、〆切り前など理不尽に怒っちゃったら、あとからちゃんと子どもに謝ればいいや!みたいに自分に対してハードルを下げることによって、気持ちに余裕を持たせるようにしたりしています。

母親は絶対に謝らない人だったので、そこも反面教師にしてうまいことできているかなって(笑)