フジテレビ系火曜9時から放送している『リーガル・ハイ』の面白さが、終盤に向けて加速している。これまでに、数えきれないほど作られてきた弁護士モノのドラマ。そんな王道のジャンルでありながら、新しさすら感じるこの作品は、今期の連ドラの中でも、もっともプロフェッショナルな作りといってもいいかもしれない。成功の要因はいろいろあるが、やはり主人公・古美門を演じる堺雅人の超絶な役作りは大きな魅力と言っていいだろう。ということで、ここで改めて彼の出演作を振り返りながら、『リーガル・ハイ』に至った経緯を追ってみよう。

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自分が最初に堺雅人の顔をハッキリと覚えたのは、13年前の深夜ドラマだった。日本テレビ系の「shin-D」というドラマ枠で、1999年5月から6月にかけて放送されていた『ア・オ・ゾ・ラ・マ・ー・ジ・ャ・ン(青空麻雀)』。そこで主演していたのが堺雅人だった。地下にある雀荘が舞台で、主人公はそこから外へ出ることができなくなってしまった引きこもりの青年。その青年を堺雅人が演じていた。当時は、引きこもりという症状や言葉が世間に広まり始めた頃で、そういう意味でも斬新な内容だった。

物語は、この雀荘に女子高生がやって来るというところから動き始めるのだが、その女子高生を演じていたのは、のちにモデルとして大ブレイクする田中美保。当時は「セブンティーン」に出ていたポッチャリとした女の子で、ダブル主演のような形で出ていた。深夜枠ということで、ドラマ自体はあまり話題にならなかったが、田中美保の可愛らしさと、舞台っぽい芝居をする堺雅人のことは、かなり印象に残った作品だった(堺雅人は早稲田大学の劇団「東京オレンジ」出身)。そして、この時に自分の中では、堺雅人=ちょっと病んだ役というイメージがインプットされた。

翌2000年、堺雅人はNHKの朝ドラ『オードリー』に出演。これで全国的に顔と名前が知られるようになる。岡本綾が演じる主人公・美月に想いを寄せながら、影から美月を支え続ける映画会社の監督(のちに社長)の役で、一応ヒロインの相手役だった長嶋一茂よりずっとセクシーで魅力的だった。この時に自分の中では、堺雅人=脇で光る役というイメージが付け加えられた。

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